薄毛の初期症状を紹介|もしかしてあなたもAGAの前兆が出てませんか?
「あれ?もしかして、ハゲてきた??」と毛量に不安を感じたことはありませんか?
薄毛は1日で進行するわけではなく、徐々に髪の毛が抜けていく疾患(病気)ですので薄毛の初期段階では気がつくことができず、ある程度進行してから気がつく方がほとんどです。
しかし、薄毛(AGA)は早いうちに気がつき対策できれば、進行を食い止めることも毛量を戻すことも不可能ではありません。
今回は、できるだけ早くAGAの症状に気がつけるよう
- 薄毛の初期症状(チェックポイント)
- 薄毛になる原因
- 予防方法や治療方法
を紹介していきます。
そもそも、薄毛って治るの?
現代の薄毛のほとんどはAGA(男性型脱毛症)と呼ばれ、AGAが発症するメカニズムもその治療方法も確立されています。
そして、AGAは治療をすれば80%の人に効果が出るというデータがあります。
ですので、進行中の薄毛も80%の方は進行を食い止めたり、改善するような対処はできますので、薄毛になってきてたかどうかを冷静に判断しましょう。
薄毛の初期症状
薄毛では医学的にはステージが細かく分類されていますが、
ステージが後半に進むにつれ治療の時間はかかると考えてください。
なんでもそうだと思うのですが、現状意地とマイナスな状態を元に戻すのでは難易度が全く異なります。
とは言え、ただ鏡を見ているだけではなかなかⅠ~Ⅱのステージで薄毛に気がつくことは難しいです。
そのためこれから説明する症状で薄毛(AGA)になっているかどうかを定期的に確認するようにしてみてください。
よくある初期症状は以下の5パターンです
- 日中頭がかゆい
- フケが出るようになった
- 髪の毛がセットしづらくなってきた
- 頭皮が硬くなった
- 朝、枕に抜け毛が増えた
- 生え際が後退、つむじが大きくなってきた
1つづつ説明していきます。
日中頭がかゆい
頭の痒みは頭皮環境の悪化による炎症が生じている可能性があります。
これらは紫外線による影響・適切なシャンプーができていない・食生活の乱れ、などさまざまな理由が。
フケが出て痒いと言うこともありますが、フケが出る理由は次で説明。
※ちなみに紫外線は直接的な影響があると認められていませんが、肌に影響を与えるため間接的に影響があると考えられています。
フケが出るようになった
フケには「ベタベタタイプのフケ」と「カサカサタイプのフケ」の2パターンがあります。
ベタベタタイプのフケは皮脂が過剰に出ており、カサカサタイプのフケは洗浄力の強すぎるシャンプーによって頭皮が乾燥してしまっている可能性が。
どちらも、フケによって常在菌(マセラチア菌)が繁殖し、脱毛につながる可能性があります。
髪がセットしづらくなってきた
髪の毛がセットしづらくなってくる理由は2つあります。
1つが「毛量がなくなったため、セットができない」ということ。これは、説明しなくても薄毛が進行しているとわかると思います。
しかし、もう1つの「ハリがなくなったため、今までと同じようなスタイルが再現できない」というのも、薄毛進行の可能性が。
なぜかというと髪の毛は、生えて→伸びて→抜けて→休む というサイクルを繰り返し成長。このサイクルのことをヘアサイクルもしくは毛周期といます。
- 生えて伸びる期間を「成長期」
- 抜ける期間を「退行期」
- 休む期間を「休止期」
毛髪のヘアサイクルは大体1年程度ですが、AGAを引き起こすとこのサイクルが乱れ、すぐに退行期に移行してしまいます。
そのような場合、髪の毛が育つ成長期の時間が短くなり髪の毛がしっかり育たずに退行期に移行するた、め細くハリのない髪の毛が増加。
髪の毛にハリがなくなると、髪の毛のボリューム感が減りうまく髪の毛が立たなかったり、髪の毛のバランスが決まらなくなったりとヘアスタイルが決まらなくなる場合があります
頭皮が硬くなった
頭皮が硬くなったというのは、血行不良などの問題を起こしている可能性があ。
毛髪は髪の毛の根本にある毛母細胞が血液から栄養を受け取ることによって、細胞分裂を繰り返し、髪が生えてゆきます。
血行不良により毛母細胞へ必要な栄養素が届けられないと、髪は成長しにくくなり、最終的に薄毛になるのです。
朝、枕に抜け毛が増えた
最もわかりやすいのが、抜け毛の量による判断です。
人の毛髪は約10万本あり、毎日生え変わっているため1日50~100本ほどの髪の毛が抜けています。その中でも抜け毛が多いタイミングが「シャンプー」「睡眠中(枕に抜け毛が付着)」
シャンプー中に抜ける髪の毛の方が多いですが、なかなか数えづらいので朝起きた時に枕にどの程度髪の毛がついているかを把握する方が簡単です。
枕についている抜け毛が増えた場合は注意が必要。
おでこが大きくなってきた
男性の薄毛は額の生え際か頭頂部から進行します。
おでこに関しては髪をかきあげて確認していない人も多いため気が付きにくいかもしれません。手のひらを額にもっていき小指が眉毛の上あたりに来るようしたうえで、自分の額がどの指にかかる程度かをチェックしておきましょう。
この方法なら毎回鏡の前に行かなくても気がついた時にできます。
一般的な額の幅は中指〜人差し指にかかる程度ですが、人差し指を超える場合には注意が必要です。
薄毛を引き起こす原因
薄毛の原因は「男性ホルモン」「遺伝」「外的要因」「ストレス」などです。
簡単に説明していきますが、詳しく理解したい方は紹介している記事も合わせてご覧いただければ理解が深まると思います。
男性ホルモン
生え際が後退する場合も頭頂部が薄くなる場合も、DHT(ジヒドロテストステロン)と呼ばれるホルモンが影響しています。
DHTは「テストステロン」と「5αリダクターゼ」が結合して生まれ、男性ホルモンの受容体である「アンドロゲンレセプター」がこのDHTを受け取ることによりAGAが発症。
遺伝
ホルモンの影響と説明したので、なんとなくそうなんだろうなと思う方はいらっしゃると思いますが、残念ながら薄毛は遺伝する可能性が非常に高いです。
5αリダクターゼは優勢遺伝という、子へ伝わりしやすい遺伝子。そのため薄毛の親を持つ方は必ずではありませんが「自分もAGAになる可能性がある」と考えておいた方がよいでしょう。
特に肉体の遺伝情報は母から強く影響を受けるため、母方の祖父が薄毛の場合は自分も薄毛の遺伝子を持つ可能性が高いといえます。
外的要因
物理的な要因でも薄毛を引き起こすことがあります。紫外線や頭皮環境というのもありますが、もっと直接的に薄毛と結びつくのが牽引性脱毛症と呼ばれるものです。
牽引性脱毛症とは、髪が引っ張られたり、頭皮が圧迫され血流が悪くなることにより髪の毛の成長が妨げられ、頭皮・毛根にダメージが蓄積し髪の毛が抜けていく症状。
こちらは前述しているような、先天的な影響ではなく日々の生活習慣によるところが多いため、意識的に頭皮の負担を減らすことができれば症状を軽減・改善させることも可能です。
ストレス
よく漫画やドラマなどでストレスは抜け毛の要因になっているような描写を見ますが、実は医学的な関係性は見つけられていません。
ただし、全く影響が無いと言うことも認められておらず、ストレスが体に及ぼす悪影響の一つとして毛髪(もしくは体毛)に影響を及ぼすことがあると考えられています。
強いストレスは人生においてなんのプラスの影響も与えないので、髪の毛うんぬんに関係なく、ストレスを溜め込みすぎないようにしないでください。
薄毛改善のための対策
専門のクリニック以外でも生活習慣の見直しで薄毛を改善・進行を食い止めることができる可能性も。
どちらも紹介しますが、薄毛が気になったらクリニックに相談することを強くおすすめします。
クリニックで治療を受ける
自宅での生活習慣でも改善できる場合はありますが、自分で薄毛の原因を判断することは非常に難しいです。
「頭皮環境が問題なのかな〜」と思いシャンプーを変えて、頭皮マッサージするという生活を3ヶ月続けて原因がホルモンによる影響だった場合、薄毛は改善するどころか進行してしまいます。
冒頭の方で述べたようにAGAはメカニズムも治療方法も確立されている疾患。適切な治療をすれば改善を見込める疾患ですので、クリニックで相談するのが一番お勧めです。
生活習慣の見直し
クリニックへ行かず、自宅でできることを試したいという方は、
- 油物を控え、タンパク質ビタミンを豊富に含む食事を心がける
- タバコを吸わない
- 飲酒を控える
- たくさん寝る
というのを心がけてください。
ひとつづつ簡単に説明しますと、
油物を控え、タンパク質ビタミンを豊富に含む食事を心がける
油物を大量に摂取すると、皮脂の分泌が増え頭皮環境が悪くなることがあります。過度な摂取は控えた方が良いでしょう。
また、タンパク質は髪の毛を作る主成分でビタミンは細胞分裂と新陳代謝を促進してくれます。ビタミンに関してはめんどくさければサプリメントなどで補っても良いでしょう。
タバコを吸わない
正直、薄毛を改善タバコしたいなら絶対にタバコはやめるべきです。
タバコに含まれるニコチンは毛細血管の収縮を起こし、血行を悪くします。
毛母細胞は毛細血管から栄養を受け取り細胞分裂を繰り返して、髪を成長させていますが、栄養を受け取ることが難しければ当然抜け毛も増加。
髪が成長しづらくなるため髪の毛の太さも細くなり、全体的なボリューム感が減ります。喫煙はビタミンC不足を引き起こすので薄毛以外にも、肌荒れやシミそばかす、シワの原因にも。
飲酒を控える
アルコールを摂取すると肝臓で分解されアセトアルデヒドに変化します。
少量では問題ありませんが、大量にアセトアルデヒドが発生すると、強い男性ホルモン(※DHT)を増やす可能性が。※DHTはAGAを引き起こすホルモン
またアルコールが肝臓の分解能力を超えると、アルコールの分解にビタミンBを利用するため、毛母細胞の細胞分裂に悪影響を及ぼします。
つまりアルコールの大量摂取は、脱毛のリスクが増し、発毛を阻害する可能性があるのです。
少量のお酒なら問題ありませんが、人によって許容度は異なるため時々であっても大量の摂取は控えるようにしましょう
たくさん寝る
睡眠も髪の毛の成長を促す重要な行為です。
睡眠をすることにより人は成長ホルモンを作り出します。成長ホルモンと聞くと身長を伸ばすイメージがあるかもしれませんが、実は成長ホルモンには代謝を促す役割も。
代謝をすることにより人は肌のターンオーバーや爪が生え変わりますが、髪の毛も同様です。
睡眠が少ないと、成長ホルモンの分泌が減り髪の毛の成長に悪影響を与えるため、6時間以下の睡眠時間の方は注意が必要。
まとめ
薄毛が気になってきた方は、今回紹介した方法で薄毛の前兆に気をつけてください。
AGAの治療は早ければ早いほど効果を得やすいので、自宅でできる対策方法も紹介しましたが、できればクリニックに行きしっかりとした診断を受けることをお勧めします。
参考文献
1) ファイザー成長ホルモン分泌不全 https://ghw.pfizer.co.jp/adult/adult/growth.html
2) 男性型および女性型脱毛症診療ガイドライン 2017 年版https://www.dermatol.or.jp/uploads/uploads/files/AGA_GL2017.pdf
3) 男性型脱毛症治療の現状と今後の展望-日本薬理学会
https://www.jstage.jst.go.jp/article/fpj/133/2/133_2_78/_pdf
4) Pathologic Dynamics of Human Hair Loss
I. Telogen Effluvium:https://jamanetwork.com/journals/jamadermatology/article-abstract/526620