ヘアカラーが抜け毛の原因になる?カラー剤が頭皮に与えるダメージと薄毛の関係

「ヘアカラーを繰り返しているうちに、抜け毛が増えた気がする」そんな不安を抱えている女性は少なくありません。白髪染めやおしゃれ染めは生活に欠かせないものですが、カラー剤に含まれる化学成分が頭皮に負担をかけているのも事実です。

ただし、ヘアカラーが直接「毛根を破壊して薄毛にする」とは限りません。問題になるのは、頭皮の炎症やアレルギー反応、そして繰り返しの刺激による毛髪サイクルの乱れです。

この記事では、カラー剤が頭皮や髪に与える影響を医学的な根拠にもとづいて解説します。正しい知識を身につけて、おしゃれと髪の健康を両立させていきましょう。

目次[

ヘアカラーで髪が抜けるのは本当?カラー剤と抜け毛の関係を正しく知ろう

結論から言うと、ヘアカラーそのものが毛根を直接死滅させることはほとんどありません。カラー剤は頭皮の表面から毛髪の内部に作用する製品であり、毛根のある真皮深くまで薬剤が到達するケースはまれです。

カラー剤は毛根まで届くのか

永久染毛剤(いわゆるヘアカラー)はアルカリ剤でキューティクルを開き、内部に酸化染料を浸透させて発色させます。この化学反応は毛幹(頭皮から出ている髪の部分)で起こるもので、毛母細胞がある毛包の深い位置まで薬剤が到達するわけではありません。

ただし、頭皮に薬剤が付着した場合は話が変わります。頭皮は皮膚の一部ですから、刺激物質に対して炎症やかぶれを起こす可能性があるのです。そしてこの炎症が長引くと、毛包の正常な働きに影響を及ぼすことがあります。

ヘアカラーで抜け毛が増える「本当の原因」は頭皮の炎症にある

カラー剤の化学成分によって頭皮に接触皮膚炎(かぶれ)が起きると、炎症性のサイトカインという物質が放出されます。研究では、頭皮のアレルギー性接触皮膚炎が休止期脱毛(テロゲンエフルビウム)を引き起こす可能性が報告されています。

カラー剤と抜け毛の関係を整理すると

要因髪への影響毛根への影響
酸化染料の浸透キューティクル損傷・切れ毛直接的な影響は少ない
アルカリ剤の刺激毛髪タンパク質の流出頭皮炎症を通じて間接的に影響
過酸化水素メラニン分解・乾燥頭皮への酸化ダメージ
アレルギー反応頭皮の腫れ・かゆみ休止期脱毛の誘発

「切れ毛」と「抜け毛」を混同していませんか

カラーリング後に髪が薄くなったと感じる方の中には、毛根から抜けたのではなく、毛幹の途中で切れている「切れ毛」が原因であるケースも多く見受けられます。カラー剤はジスルフィド結合を変化させ、毛髪の引っ張り強度を低下させるため、切れ毛が起こりやすくなるのです。

切れ毛は毛根が健在なので、適切なケアを行えば再び伸びてきます。一方で、炎症による脱毛は毛包そのものに影響するため、放置すると悪化する恐れがあるでしょう。自分の髪が「切れた」のか「抜けた」のかを見分けることが、対処の第一歩になります。

カラー剤に含まれる化学成分が頭皮を傷つける仕組み

ヘアカラー製品にはさまざまな化学成分が配合されており、それぞれが毛髪と頭皮に異なる作用を及ぼします。成分ごとの特性を知ることで、なぜ頭皮トラブルが起きるのかが見えてきます。

パラフェニレンジアミン(PPD)が引き起こす頭皮への刺激

永久染毛剤で濃い色を発色させるために欠かせない成分が、パラフェニレンジアミン(PPD)です。PPDは酸化染料の中でも特に感作性(アレルギーを引き起こす力)が強いことで知られています。

PPDは皮膚に接触すると部分的に酸化され、その中間体が免疫細胞を活性化させます。一度PPDに対するアレルギーが成立すると、その後のカラーリングのたびに症状が出るようになるため、使い続けるほどリスクが高まるといえます。

過酸化水素(オキシダント)による酸化ダメージと頭皮への負担

過酸化水素は髪の天然メラニン色素を分解し、新しい色素を定着させるために使われる酸化剤です。しかし、この過酸化水素が頭皮に触れると活性酸素が発生し、皮膚細胞にダメージを与えることがあります。

動物実験では、過酸化水素とモノエタノールアミン(MEA)を組み合わせて塗布すると、皮膚炎と脱毛が同時に生じたという報告があります。酸化による細胞障害が頭皮の健康を損なう一因であると考えられています。

アンモニアとモノエタノールアミン(MEA)の違いと毛髪へのダメージ

アルカリ剤には主にアンモニアとMEAの2種類があり、どちらも毛髪のキューティクルを膨潤させて薬剤の浸透を助ける働きがあります。近年はアンモニア特有の刺激臭を避けるためにMEAを採用した「アンモニアフリー」製品が増えていますが、MEAが必ずしも髪に優しいわけではありません。

ある研究では、高濃度のMEAを含むカラー剤がアンモニア系と比較して最大85%も多くタンパク質を流出させたと報告されています。「アンモニアフリー=低ダメージ」と安易に判断するのは危険かもしれません。

アルカリ剤特徴毛髪への影響
アンモニア揮発性が高く臭いが強い施術後に残留しにくい
MEA臭いは少ないが揮発しにくい髪に残留しやすくダメージが蓄積

酸化染毛剤の繰り返し使用が女性の毛髪サイクルを乱す

ヘアカラーを1回だけ行った場合より、繰り返し施術を重ねることで頭皮や髪への負担は大きくなります。毛髪には成長期・退行期・休止期というサイクルがあり、外部からの化学的刺激が続くとこのリズムが崩れやすくなるのです。

毛髪の成長期(アナゲン)と休止期(テロゲン)の基本

健康な頭皮では、全体の約85%の毛髪が成長期にあり、約15%が休止期にあります。成長期は3〜6年ほど続き、休止期は約3か月です。休止期を終えた髪は自然に抜け落ち、同じ毛包から新しい髪が生えてきます。

このサイクルが正常に保たれている限り、1日50〜100本程度の抜け毛は生理的な現象であり心配いりません。問題は、炎症やストレスによって成長期の毛髪が一気に休止期へ移行してしまう場合です。

カラーリング頻度と休止期脱毛(テロゲンエフルビウム)の関わり

頭皮に強い炎症が起こると、成長期にあった毛髪が早期に退行期を経て休止期へと押し出されます。この現象が休止期脱毛です。原因となる出来事から2〜4か月後に抜け毛が増えるのが特徴で、カラーリングによる頭皮炎症もその引き金の一つになり得ます。

カラーリング頻度と頭皮リスクの目安

施術間隔頭皮への負荷推奨される対策
4週間未満高い(炎症リスク増大)リタッチ中心にして全体染めを控える
4〜6週間中程度保護剤を使い頭皮への付着を減らす
8週間以上比較的低い通常の頭皮ケアで対応可能

女性特有のホルモン変動とカラーダメージの相乗効果に注意

女性は加齢や出産、更年期などでホルモンバランスが変動しやすく、毛髪の成長サイクルに影響が出やすい体質をもっています。こうした時期にカラー剤の刺激が加わると、もともと不安定だった毛髪サイクルがさらに乱れ、抜け毛が目立ちやすくなることがあります。

特に更年期前後はエストロゲンの減少にともない毛髪が細くなる傾向があるため、そこにカラーリングのダメージが重なると髪のボリューム低下を実感しやすくなるでしょう。ホルモン変動期には通常以上にカラーリングの頻度や方法に気を配ることが大切です。

ヘアカラーが引き起こすアレルギー性接触皮膚炎と抜け毛の深い結び付き

カラー剤による頭皮トラブルのうち、もっとも注意が必要なのがアレルギー性接触皮膚炎です。単なるかぶれと軽視されがちですが、重症化すると広範囲の脱毛を引き起こすこともあるため、早い段階で対処する必要があります。

PPDアレルギーの症状は一度で終わらない

PPDへの感作が成立すると、次にカラー剤を使ったときにはより早く、より強い症状が出るようになります。初回は軽いかゆみ程度だったのが、2回目以降には頭皮全体の発赤や浮腫、さらにはまぶたや顔面にまで症状が広がるケースもあるのです。

これはIV型(遅延型)アレルギー反応と呼ばれ、接触してから数時間〜数日後に症状が出現します。症状は最長で8週間ほど持続する場合もあり、その間に毛包が受けるダメージは少なくありません。

頭皮の炎症が毛包を傷つけ脱毛を引き起こす経路

アレルギー性接触皮膚炎による炎症が頭皮で起こると、炎症性サイトカイン(TNF-αやIL-1αなど)が毛包周囲に放出されます。これらの物質は毛母細胞の活動を抑制し、成長期から休止期への早期移行を促すと考えられています。

ある臨床研究では、頭皮にアレルギー性接触皮膚炎を生じた女性8名のうち4名で、炎症から2〜4か月後に休止期脱毛が確認されました。頭皮の炎症と抜け毛は時間差で起こるため、「かぶれが治ったのに髪が減った」という経過をたどるのが特徴です。

アレルギーと刺激性接触皮膚炎は何が違うのか

カラー剤による頭皮トラブルには、アレルギー性接触皮膚炎と刺激性接触皮膚炎の2種類があります。前者は免疫反応に起因するもので、ごく微量の薬剤でも反応が起こります。一方、後者は薬剤の化学的刺激によるもので、誰にでも起こる可能性がある反応です。

脱毛リスクが高いのは主にアレルギー性のほうですが、刺激性であっても頭皮バリアが繰り返し壊されれば毛包環境は悪化します。どちらの反応であっても、頭皮に異常を感じたらカラーリングを中断し、皮膚科を受診するのが賢明です。

種類原因脱毛との関連
アレルギー性接触皮膚炎PPD等への免疫反応休止期脱毛を誘発する可能性あり
刺激性接触皮膚炎化学物質による直接的刺激慢性化すると毛包環境を悪化させる

頭皮ダメージを減らすカラーリングの選び方と染め方

ヘアカラーの頭皮ダメージは、カラー剤の種類や施術方法を工夫することで大幅に軽減できます。「染めるのをやめる」以外にも、髪を楽しみながら頭皮を守る方法はたくさんあるのです。

永久染毛剤・半永久染毛料・一時染毛料の頭皮負担を比較する

カラー製品は大きく3つのタイプに分かれ、それぞれ毛髪や頭皮への作用が異なります。永久染毛剤(2剤式ヘアカラー)は発色が長持ちする反面、アルカリ剤と過酸化水素を使うため頭皮への負荷は高くなります。

半永久染毛料(ヘアマニキュアやカラートリートメント)はキューティクルの表面〜浅い部分に色素を定着させるもので、アルカリ剤を使わないため頭皮への刺激は比較的穏やかです。一時染毛料(カラースプレーなど)は毛髪表面に色を付けるだけなので、頭皮への化学的負担はもっとも軽いといえます。

パッチテスト(皮膚アレルギー試験)を毎回必ず行う

「前回大丈夫だったから今回も平気」という考えは危険です。アレルギーは繰り返しの接触で感作が進み、ある日突然発症することがあります。製品を変えたときはもちろん、同じ製品でも毎回パッチテストを行いましょう。

カラーリングの種類と頭皮負担の比較

種類持続期間頭皮への負担
永久染毛剤(ヘアカラー)髪が伸びるまで高い(アルカリ剤+過酸化水素)
半永久染毛料(マニキュア等)約2〜4週間低め(アルカリ剤不使用)
一時染毛料(スプレー等)シャンプー1回で落ちるごく低い

リタッチ染めで新生部のみを施術し、頭皮全体の負担を減らす

全頭を毎回染め直すと、すでにダメージを受けた部分に追加でカラー剤が重なり、毛髪のタンパク質流出が加速します。根元の新生部だけを染める「リタッチ」を基本にすれば、頭皮と毛髪の両方への負担を軽減できるでしょう。

美容室で施術を受ける場合は、担当の美容師に「頭皮が敏感なので根元だけ染めたい」と伝えるだけで対応してもらえます。自宅で染める場合も、生え際や分け目など気になる部分だけに塗布するようにしてみてください。

ヘアカラーと薄毛が気になったら受診すべきタイミング

カラーリング後の抜け毛が一時的なものなのか、治療が必要な状態なのかを自分だけで判断するのは難しいものです。放置していい場合と早期受診が望ましい場合の境目を把握しておきましょう。

こんな症状が出たら皮膚科・毛髪専門外来を受診しよう

カラーリング後に頭皮のかゆみや赤み、フケが1週間以上続く場合は、皮膚科を受診してください。ヘアカラーを中止しても抜け毛の量が2か月以上減らない、あるいは髪の分け目が目に見えて広がってきたと感じるときは、毛髪専門の外来を受けるのがよいでしょう。

洗髪時に排水溝にたまる髪の量が明らかに増えた場合や、枕に残る抜け毛の本数が気になる場合も受診の目安です。早い段階で専門家に相談することで、適切な対処を始められます。

受診時に伝えると診察がスムーズになる情報

医師に相談する際は、カラーリングの頻度や使用している製品名(わかれば成分表示も)、抜け毛が増え始めた時期、頭皮症状の有無を整理して伝えましょう。カラー剤のパッケージを持参すると、成分の特定に役立つことがあります。

生理周期の変化やストレス状況、食事の偏りなども抜け毛に影響するため、生活全般の情報も併せて伝えると、より正確な診断につながります。

女性型脱毛症(FPHL)とカラーダメージの鑑別が大切

女性型脱毛症は遺伝やホルモンの影響で頭頂部を中心に毛髪が薄くなる疾患で、カラー剤とは無関係に進行します。カラーリングによる抜け毛と女性型脱毛症の症状が重なると、原因の見極めが難しくなることがあります。

皮膚科では、ダーモスコピー(拡大鏡検査)や血液検査、場合によっては頭皮生検などを行って鑑別を行います。原因が異なれば対処法も変わるため、自己判断で放置せず、専門家の診断を仰ぐことが回復への近道です。

  • 頭皮のかゆみ・赤みが1週間以上続く
  • カラーリング中止後2か月以上抜け毛が減らない
  • 分け目の幅が以前より広がっている
  • 円形脱毛や部分的な脱毛斑がある

自宅でできるカラー後の頭皮ケアで抜け毛を予防しよう

日々のセルフケアで頭皮環境を整えれば、カラーリングによるダメージを軽減し、健康な毛髪の成長をサポートできます。特別な道具がなくても、洗い方や生活習慣を見直すだけで頭皮の状態は変わってきます。

カラー後のシャンプーは「ぬるめのお湯」と「やさしい洗浄力」で

カラーリング直後の頭皮はバリア機能が低下しています。38度前後のぬるめのお湯を使い、洗浄力のマイルドなアミノ酸系シャンプーでやさしく洗いましょう。爪を立てず指の腹で頭皮を動かすように洗うのがポイントです。

  • お湯の温度は38度前後のぬるめに設定
  • アミノ酸系やベタイン系の低刺激シャンプーを選ぶ
  • 指の腹でやさしく頭皮をマッサージするように洗う
  • すすぎ残しがないよう丁寧にすすぐ

頭皮の保湿と紫外線対策も忘れずに

カラー後の頭皮は乾燥しやすいため、頭皮用の保湿ローションやエッセンスでうるおいを補うと効果的です。乾燥した頭皮はバリア機能がさらに低下し、次のカラーリング時にダメージを受けやすくなってしまいます。

また、紫外線は頭皮の酸化を促進する要因のひとつです。帽子や日傘を活用して紫外線から頭皮を守ることも、髪の健康維持には欠かせないケアといえます。

バランスのよい食事と睡眠で毛髪の成長を内側から支える

毛髪の主成分であるケラチンは、タンパク質から合成されます。良質なタンパク質のほか、亜鉛、鉄分、ビタミンB群など毛髪の合成に関わる栄養素を意識して摂ることが大切です。

十分な睡眠も成長ホルモンの分泌を促し、毛母細胞の活動を助けます。食事と睡眠を整えることは、カラーダメージからの回復を早め、健やかな髪を育てるための土台づくりになるでしょう。

よくある質問

Q
ヘアカラーの頻度はどのくらい空けたら頭皮への負担を減らせますか?
A
一般的には、ヘアカラーの施術間隔を6〜8週間以上空けることが頭皮への負担軽減に効果的です。施術間隔が短くなるほど、カラー剤に含まれるアルカリ剤や過酸化水素が頭皮の回復を待たずに再び刺激を与えることになります。
どうしても4週間以内に染め直したい場合は、全体染めではなく根元のリタッチだけにとどめるとよいでしょう。また、頭皮保護剤を塗布してから施術を行うことで、薬剤の直接的な接触を減らせます。
Q
カラートリートメントやヘアマニキュアでも抜け毛は起こりますか?
A
カラートリートメントやヘアマニキュアは、永久染毛剤と比較して頭皮への化学的負担が少ない製品です。アルカリ剤や過酸化水素を使用しないタイプが多く、毛髪内部への浸透も浅いため、頭皮炎症による脱毛リスクは低いと考えられています。
ただし、これらの製品にもアレルギーを引き起こす成分が含まれることがあります。肌が敏感な方やアレルギー体質の方は、半永久染毛料であってもパッチテストを実施してから使用してください。
Q
ヘアカラーによる抜け毛は元に戻りますか?
A
カラー剤の刺激による休止期脱毛であれば、原因を取り除いてから3〜6か月ほどで毛髪の成長サイクルが正常化し、抜け毛が落ち着いてくるケースが多いです。毛根が破壊されていなければ、再び髪は生えてきます。
一方で、重度のアレルギー反応で頭皮にやけどのような深い損傷が起きた場合、その部分の毛包は再生しないことがあります。これは瘢痕性脱毛と呼ばれる状態で、自然回復は難しくなります。異常を感じたら早めに皮膚科を受診し、症状が軽いうちに対処を始めることが回復のカギになるでしょう。
Q
白髪染めとおしゃれ染めでは頭皮ダメージに違いがありますか?
A
白髪染めとおしゃれ染めはどちらも永久染毛剤に分類される製品ですが、配合される染料の濃度に違いがあります。白髪をしっかりカバーする必要がある白髪染めは、PPDなどの酸化染料がおしゃれ染めよりも高濃度で含まれている場合があります。
濃度が高いほどアレルギー感作のリスクが高まるため、白髪染めを頻繁に使用している方は特に頭皮の状態に注意を払いましょう。施術後に頭皮のかゆみやヒリヒリ感が続くようであれば、PPDフリーの製品への切り替えも選択肢に入れてみてください。
Q
ヘアカラー後に頭皮がかゆくなるのはアレルギーのサインですか?
A
カラーリング後のかゆみには、アレルギー性と刺激性の両方の可能性があります。施術直後〜数時間以内に軽いかゆみが出て短時間で治まる場合は、薬剤の一時的な刺激によるものかもしれません。
しかし、施術後1〜3日経ってからかゆみや赤み、腫れが悪化する場合は、アレルギー性接触皮膚炎の疑いがあります。特に回を重ねるごとに症状が強くなっていると感じたら、カラー剤の使用を中止して皮膚科を受診してください。パッチテストでアレルゲンを特定してもらうことで、今後安全に使える製品を選ぶ手がかりになります。
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執筆・監修医師

藤井麻美
藤井麻美
あさ美皮フ科亀戸駅前 院長

あさ美皮フ科亀戸駅前 院長
皮膚科専門医/医学博士
略歴:愛媛大学医学部を卒業後に大阪大学医学部皮膚科へ入局。退役軍人病院(米国ロサンゼルス州)皮膚科、岐阜大学医学部付属病院皮膚科を経て当院を開業。

所属:日本皮膚科学会/日本レーザー医学会/日本乾癬学会/日本アレルギー学会/江東区医師会