フケが多いと脱毛する?気になる関係性と抜け毛の改善方法

「最近フケが増えた気がする」「シャンプーしても白い粉が肩に落ちる」――そんな悩みを抱えながら、ふと排水口にたまった抜け毛の量まで気になり始めた方は少なくないでしょう。

フケそのものが直接髪を抜くわけではありません。しかし、フケが多い頭皮は炎症や常在菌のバランスの乱れを起こしやすく、その結果として抜け毛が増えることがあります。

この記事では、薄毛治療に携わってきた経験をもとに、フケと脱毛の関係をわかりやすく解説し、頭皮環境を整えて抜け毛を減らすための具体的な方法をお伝えします。

目次[

フケが増えると抜け毛も増える?フケと脱毛の医学的な関係

結論から言えば、フケが多い状態を放置すると抜け毛が増える可能性があります。フケ自体が毛根を攻撃するわけではありませんが、フケが生じている頭皮は炎症や真菌の過剰増殖を伴っていることが多く、それが毛髪の成長サイクルを乱すためです。

フケは「頭皮のSOS」と捉えるべき

フケとは、頭皮の角質細胞が通常よりも早いペースで剥がれ落ちたものです。健康な頭皮でも古い角質は日々入れ替わっていますが、目に見えるほど大きな塊になって落ちる場合、それは頭皮になんらかの異常が起きている証拠といえます。

たとえば、頭皮に軽い炎症が生じると表皮の新陳代謝が加速し、未成熟な角質が塊のまま剥がれ落ちます。この状態が長く続くと、毛根の周囲にも炎症が広がり、髪の成長期(アナジェン期)が短縮されてしまうのです。

フケがある人は抜け毛が2〜3倍に増えるという調査結果

フケのある頭皮では、1日あたりの抜け毛が通常の2〜3倍に達するという研究報告があります。フケを伴う男性150名を対象とした臨床試験でも、抗真菌成分を含むシャンプーでフケを改善した結果、抜け毛の量が約10〜17%減少したことが確認されました。

つまり、フケを放置することは抜け毛の増加につながりかねず、逆にフケを治療することで抜け毛を減らせる可能性があるということです。

フケの有無と抜け毛量の比較

頭皮の状態1日の平均抜け毛量特徴
フケなし(健常)50〜100本自然な生え変わりの範囲
軽度のフケあり100〜200本シャンプー時に増加を実感
重度のフケ・脂漏性皮膚炎200〜300本以上枕や肩にも抜け毛が目立つ

男性型脱毛症(AGA)とフケが重なると進行が早まる

もともとAGA(男性型脱毛症)の遺伝的素因がある男性は、フケを伴う脂漏性皮膚炎が加わることで脱毛の進行が早まる傾向があります。AGAは毛髪が徐々に細く短くなる疾患ですが、フケによる炎症が毛包のミニチュア化(縮小化)をさらに後押ししてしまうのです。

そのため、AGAの治療を受けている方でも頭皮のフケ対策は並行して行う必要があります。フィナステリドやミノキシジルといったAGA治療薬の効果を引き出すうえでも、土台となる頭皮環境を健やかに保つことが前提条件となります。

フケの正体とは?脂性フケ・乾性フケの違いと原因を見極める

フケには大きく分けて「脂性フケ」と「乾性フケ」の2種類があり、それぞれ原因や対処法が異なります。自分のフケがどちらのタイプかを正しく見極めることが、抜け毛改善への第一歩となるでしょう。

脂性フケはマラセチア菌と皮脂の過剰分泌が原因

脂性フケは、黄色味を帯びた大きめのフレーク状で、頭皮にベタッと張りつくように発生します。皮脂の分泌量が多い男性に特に多く見られるタイプです。

この脂性フケの発生には、頭皮に常在するマラセチア(Malassezia)という真菌が深く関わっています。マラセチア菌は皮脂を栄養源として増殖し、その代謝産物である遊離脂肪酸が頭皮に炎症を引き起こします。炎症が慢性化するとフケが大量発生し、かゆみも強くなるため、掻きむしることで毛根にダメージが及びます。

乾性フケは頭皮のバリア機能低下が引き金になる

乾性フケは、白くて細かいパラパラとした粉状のフケで、冬場の乾燥した時期に多く見られます。頭皮の水分量が低下してバリア機能が弱まると、わずかな刺激にも過敏に反応し、角質が剥がれ落ちやすくなるのです。

乾性フケが続くと頭皮の防御力がさらに低下し、外部からの刺激に対して過剰な免疫反応が起きやすくなります。その結果、毛根周辺の微小な炎症が慢性化して、抜け毛の増加を招くこともあるでしょう。

脂性フケと乾性フケでは治療アプローチが違う

脂性フケには抗真菌成分を含むシャンプーや皮脂コントロールが中心になりますが、乾性フケには保湿を軸としたケアが求められます。自分のフケのタイプを誤って判断し、逆のケアを続けてしまうと、症状を悪化させてしまうリスクがあるため注意が必要です。

判断に迷う場合は、皮膚科を受診して頭皮の状態を専門医に診てもらうことをおすすめします。

脂性フケと乾性フケの違い

項目脂性フケ乾性フケ
フケの見た目黄色く大きめ、ベタつく白く細かい、パラパラ落ちる
主な原因マラセチア菌の過剰増殖頭皮の乾燥・バリア機能低下
かゆみの強さ強い軽度〜中程度
好発する季節湿気の多い夏場空気が乾燥する冬場
基本のケア方針抗真菌シャンプー・皮脂コントロール保湿中心のマイルドなケア

放置は厳禁!脂漏性皮膚炎がフケと抜け毛を加速させる

フケをたかが見た目の問題と放置していると、脂漏性皮膚炎(しろうせいひふえん)に進行し、抜け毛がさらに深刻化する恐れがあります。脂漏性皮膚炎は、フケと脱毛の両方を同時に悪化させる厄介な皮膚疾患です。

フケと脂漏性皮膚炎はつながっている

医学的に見ると、フケ(頭部粃糠疹)と脂漏性皮膚炎は同じ疾患スペクトラムの軽症から重症へのグラデーションと考えられています。つまり、軽いフケを放っておくと、やがて頭皮が赤く腫れてかゆみが強まり、脂漏性皮膚炎へと移行するリスクがあるのです。

脂漏性皮膚炎になると頭皮全体に炎症が広がり、毛包(毛を育てる袋状の組織)が持続的なダメージを受けます。研究では、フケの重症度と休止期の毛髪の割合に正の相関があることが報告されており、フケが重いほど抜け毛も多くなる傾向が確認されています。

頭皮の酸化ストレスが毛髪の育成を阻害する

脂漏性皮膚炎やフケが生じている頭皮では、酸化ストレスのレベルが上昇していることが複数の研究で示されています。酸化ストレスとは、活性酸素が体内の防御能力を上回って組織を傷つける状態を指します。

頭皮で酸化ストレスが高まると、毛髪がまだ皮膚の中にある「発芽前」の段階からダメージを受けます。生えてきた髪のキューティクルが荒れて光沢を失ったり、毛幹が細く脆くなったりするのは、この酸化ストレスの影響が一因と考えられています。

酸化ストレスの発生源頭皮・毛髪への影響
マラセチア菌の代謝活動遊離脂肪酸・過酸化脂質の生成
紫外線・大気汚染毛幹のタンパク質損傷
頭皮の炎症反応毛包周囲の微小循環障害
喫煙・ストレス全身的な抗酸化能の低下

掻きむしりが毛根を物理的に傷つける

フケに伴う強いかゆみは、つい爪で頭皮を掻きむしる原因になります。繰り返し掻くことで頭皮に微細な傷がつき、毛根の構造が物理的に損傷されてしまうのです。

傷ついた頭皮は感染症のリスクも高まり、さらに炎症が悪化するという悪循環に陥ります。重症例では、瘢痕性脱毛(毛包が線維化して永久に髪が生えなくなる状態)に至ることもあるため、早期の治療介入が大切です。

フケによる脱毛か?AGAか?抜け毛の原因を見分けるポイント

抜け毛が気になるとき、その原因がフケ(脂漏性脱毛)なのかAGA(男性型脱毛症)なのかを正しく見分けることが適切な治療への近道です。両者は併存することも多いため、それぞれの特徴を理解しておく必要があります。

脂漏性脱毛は頭皮全体の症状として現れる

フケや脂漏性皮膚炎に伴う脱毛は、頭皮全体に広がるびまん性の抜け毛として現れることが多いのが特徴です。前頭部や頭頂部だけでなく、側頭部や後頭部にもフケやかゆみ、赤みが見られる場合は、脂漏性脱毛の可能性が高いといえるでしょう。

脂漏性脱毛のもう一つの特徴は、治療によって回復が見込めるという点です。頭皮の炎症を鎮めてマラセチア菌をコントロールすれば、休止期に入っていた毛包が再び成長期に移行し、髪が戻ってくるケースが多く見られます。

また、抜け毛に季節的な変動がある(夏場に悪化しやすい、など)場合も、脂漏性脱毛の特徴の一つです。

AGAは生え際や頭頂部から徐々に進行する

一方、AGAは前頭部の生え際が後退したり、頭頂部が薄くなったりする特有のパターンで進行します。Norwood-Hamilton分類と呼ばれる段階的な進行パターンに当てはまる場合は、AGAと考えてよいでしょう。

AGAでは頭皮の炎症やフケが目立たないことも多く、毛が細く短く軟毛化する(産毛のようになる)のが顕著な特徴です。

両方が同時に起きていることも珍しくない

実際の臨床現場では、AGAと脂漏性皮膚炎が同時に存在しているケースが少なくありません。あるクロスセクショナル研究では、AGA患者の脂漏性皮膚炎の重症度が有意に高かったと報告されています。

両者が重なると、単独の場合よりも抜け毛が目立ちやすくなります。そのため、「フケがあるからフケのせいだ」と決めつけるのではなく、一度専門医の診察を受けて正確に原因を特定することが望ましいのです。

脂漏性脱毛とAGAの見分け方

特徴脂漏性脱毛AGA
脱毛パターン頭皮全体にびまん性前頭部・頭頂部から進行
頭皮の状態フケ・赤み・かゆみを伴う外見上は正常なことが多い
毛の変化正常な太さの毛が抜ける軟毛化(産毛化)が進む
経過治療で回復可能進行性(治療で抑制は可能)

フケと抜け毛を同時に改善するシャンプーの選び方と正しい洗髪法

フケと抜け毛の悩みを同時に解決するには、シャンプー選びと洗い方の両面からアプローチすることが効果的です。抗フケ成分を含むシャンプーを正しく使うだけで、抜け毛量が大幅に減少したという臨床データもあります。

ケトコナゾール配合シャンプーの抗真菌・育毛効果

ケトコナゾールは、もともと脂漏性皮膚炎やフケの治療薬として開発された抗真菌成分です。マラセチア菌を直接抑制する効果に加え、頭皮の炎症を鎮める作用も持っています。

さらに興味深いことに、2%ケトコナゾールシャンプーを長期使用した男性では、毛髪密度と成長期(アナジェン期)の毛髪の割合が改善したことが報告されています。この改善効果はミノキシジル2%外用液と同等レベルであったとする研究もあり、フケと薄毛の両方に悩む男性にとって有用な選択肢といえます。

ケトコナゾールは医師の処方が必要な成分ですので、市販シャンプーでは手に入りません。フケが重症でなかなか治らない場合や、AGAとの併発が疑われる場合は、皮膚科でケトコナゾール配合シャンプーを処方してもらうことを検討してみてください。

市販シャンプーに含まれる抗フケ有効成分を知っておく

有効成分主な作用特徴
ケトコナゾール抗真菌・抗炎症医療用。抗男性ホルモン作用も報告
ジンクピリチオン(ZPT)抗真菌・抗菌市販品に多い。酸化ストレス軽減も確認
ピロクトンオラミン抗真菌・皮脂調整毛髪の太さを増す効果の報告あり
硫化セレン角質溶解・抗真菌フケの重症例にも使用される
サリチル酸角質軟化・剥離促進厚いフケを除去する目的で使用

洗髪は「泡立て→放置→すすぎ」の順序が大切

シャンプーの有効成分を頭皮にしっかり届かせるには、泡立てた後に3〜5分間そのまま放置する「置き時間」を設けることが推奨されます。すぐに洗い流してしまうと、有効成分が頭皮に浸透しきらず、十分な効果が得られません。

すすぎは念入りに行いましょう。シャンプー成分の洗い残しはかえって頭皮を刺激し、フケの原因になることがあります。ぬるめのお湯(38〜40度)で2〜3分かけてしっかり洗い流すのがポイントです。

洗いすぎは逆効果になる

フケを気にするあまり1日に何度も洗髪する方がいますが、過度な洗髪は頭皮の必要な皮脂まで洗い流してしまいます。皮脂が過剰に除去されると、体は皮脂を補おうとしてさらに分泌量を増やし、結果的にフケが悪化するという悪循環に陥りかねません。

基本的には1日1回の洗髪で十分です。脂性肌で夕方には頭がベタつくという方でも、朝と夜の2回が上限と考えてください。洗髪の際は爪を立てず、指の腹で頭皮を優しくマッサージするように洗うことで、毛根への物理的なダメージを防ぎながら汚れを落とせます。

二度と繰り返さない!フケと抜け毛を防ぐ頭皮ケアと生活習慣

シャンプーの見直しだけでなく、日常生活の習慣を変えることもフケと抜け毛の予防には大切です。頭皮環境は食事・睡眠・ストレスといった体全体のコンディションに大きく左右されます。

食事で意識したいのはビタミンB群と亜鉛

ビタミンB2やB6は皮脂の分泌を正常にコントロールし、亜鉛は頭皮の新陳代謝を促す栄養素です。これらが不足すると、頭皮環境が乱れてフケが出やすくなります。

レバー、卵、納豆、青魚、牡蠣などを日々の食卓に取り入れることで、サプリメントに頼らなくても十分な量を摂取できるでしょう。偏った食生活やファストフード中心の食事は、皮脂の質を悪化させるため見直しが必要です。

睡眠不足とストレスがフケを悪化させる

睡眠中には成長ホルモンが分泌され、頭皮を含む全身の組織が修復されます。慢性的な睡眠不足はこの修復サイクルを妨げ、頭皮のターンオーバーの乱れやフケの増加につながるのです。

精神的なストレスも同様に、皮脂分泌を増加させてマラセチア菌の増殖を促す要因になります。完全にストレスを避けることは難しいかもしれませんが、適度な運動やリラクゼーションの時間を確保することで頭皮への悪影響を軽減できます。

入浴はシャワーだけで済ませず、38〜40度のぬるめのお湯に10〜15分つかることで副交感神経が優位になり、睡眠の質も向上します。就寝前のスマートフォンの使用を控えることも、質の高い睡眠のために心がけたい習慣の一つです。

頭皮の紫外線対策も忘れてはいけない

紫外線は頭皮の酸化ストレスを増加させる大きな要因の一つです。特に薄毛が進行している方は頭皮が直接紫外線にさらされやすく、ダメージを受けやすい状態にあります。

外出時には帽子をかぶる、日傘を使うなどの基本的な対策が有効です。ただし、通気性の悪い帽子を長時間かぶり続けると頭皮が蒸れてマラセチア菌の温床になるため、こまめに外して頭皮を乾かすことも大切でしょう。

  • ビタミンB2・B6を多く含む食品(レバー、卵、青魚など)を意識的に摂取する
  • 1日6〜7時間以上の質のよい睡眠を確保する
  • ウォーキングやヨガなど適度な運動でストレスを発散する
  • 外出時は帽子や日傘で頭皮の紫外線ダメージを防ぐ
  • タバコは頭皮の血行を悪化させるため、禁煙を検討する

フケがひどいときは皮膚科へ|医師が行うフケ・脱毛の治療法

市販のシャンプーや生活改善でフケが収まらない場合は、皮膚科での治療が必要です。医師は症状に応じて外用薬や内服薬を組み合わせ、フケと脱毛の両面から治療を進めます。

皮膚科で処方される外用薬の種類

外用薬の種類効果使い方の目安
抗真菌外用薬(ケトコナゾールなど)マラセチア菌の増殖を抑制週2〜3回のシャンプーまたは塗布
ステロイド外用薬(弱〜中程度)炎症とかゆみの速やかな鎮静症状が強い時期に短期間使用
保湿剤・ローション頭皮のバリア機能の回復乾性フケの場合に毎日使用

AGA治療薬との併用で相乗効果を狙える

フケに伴う脱毛とAGAが併存している場合、フケの治療に加えてフィナステリドやデュタステリドといったAGA治療薬を併用することで、より効率的に抜け毛を抑えられるケースがあります。

ケトコナゾールにはDHT(ジヒドロテストステロン)を産生する5αリダクターゼ(5α還元酵素)を阻害する作用も報告されており、AGA治療の補助的な位置づけとして期待されています。ただし、薬の組み合わせは個々の症状に応じて医師が判断するため、自己判断での併用は避けてください。

受診の目安は「2週間セルフケアしても改善しないとき」

市販の抗フケシャンプーを2〜3週間使い続けてもフケやかゆみが軽減しない場合は、皮膚科を受診するタイミングです。頭皮に赤みやかさぶたが目立つ、脱毛斑(円形脱毛症との鑑別が必要)がある、フケと同時に急激な抜け毛が増えたという場合は、できるだけ早く専門医に相談しましょう。

皮膚科ではダーモスコピー(拡大鏡)を使った頭皮の詳細な観察や、必要に応じて真菌の培養検査を行い、原因を正確に特定したうえで治療計画を立てます。

「たかがフケで病院に行くのは大げさでは」と思う方もいるかもしれません。しかし、フケの裏には脂漏性皮膚炎やAGA、まれに乾癬(かんせん)や接触皮膚炎が隠れている場合もあります。原因を正しく突き止めることが、遠回りしない治療への一番の近道です。

よくある質問

Q
フケが多いと必ず薄毛になりますか?
A
フケが多いからといって、全員が薄毛になるわけではありません。ただし、フケが長期間にわたって放置されると、頭皮の慢性的な炎症やマラセチア菌の過剰増殖を招き、結果として抜け毛が増えるリスクは高まります。
早い段階で正しいシャンプー選びや生活習慣の改善に取り組めば、フケに伴う抜け毛を防ぐことは十分に可能です。気になる方は皮膚科で頭皮の状態を一度チェックしてもらうとよいでしょう。
Q
フケによる抜け毛は治療すれば元に戻りますか?
A
フケや脂漏性皮膚炎に伴う抜け毛は、原因となる炎症を適切に治療すれば多くの場合は回復が見込めます。毛根が破壊されていなければ、頭皮環境の改善とともに成長期の毛髪が増え、数か月かけて元の毛量に近づいていくでしょう。
ただし、炎症が長期化して瘢痕性(はんこんせい)の脱毛に至った場合は、毛包自体が線維化しているため自然回復は難しくなります。だからこそ、フケが続く段階での早めの対処が大切です。
Q
脂漏性皮膚炎とAGA(男性型脱毛症)は同時に発症することがありますか?
A
はい、脂漏性皮膚炎とAGAは同時に発症することが珍しくありません。臨床研究でも、AGA患者における脂漏性皮膚炎の併存率は高く、両者が重なることで抜け毛が加速する傾向が報告されています。
AGAの治療薬(フィナステリドやミノキシジルなど)と脂漏性皮膚炎の治療(抗真菌シャンプーや外用ステロイドなど)を並行して進めることで、単独で治療するよりも効率的に改善を目指せます。まずは皮膚科で正確な診断を受けることが出発点となるでしょう。
Q
フケ対策としてシャンプーを1日に何回するのが適切ですか?
A
基本的には1日1回の洗髪が推奨されます。フケが気になるからと1日に複数回洗ってしまうと、頭皮に必要な皮脂まで取り除いてしまい、かえって皮脂の過剰分泌を引き起こすことがあります。
洗髪のタイミングは、1日の汚れや皮脂を落とせる夜が望ましいでしょう。抗フケ成分を含むシャンプーを使う場合は、泡を頭皮に3〜5分置いてから洗い流すことで有効成分の浸透が高まります。
Q
マラセチア菌は誰の頭皮にもいるのに、なぜフケが出る人と出ない人がいるのですか?
A
マラセチア菌は健康な人の頭皮にも常在している真菌で、それ自体が病気の原因というわけではありません。フケが出るかどうかは、皮脂の分泌量、個人の免疫応答の感受性、頭皮のバリア機能といった複数の要因が組み合わさって決まります。
たとえば、皮脂の分泌が多い人はマラセチア菌が増殖しやすい環境が整いやすく、さらにその人の免疫系がマラセチア菌の代謝産物に敏感に反応すると、炎症やフケが発生しやすくなるのです。遺伝的な体質も影響するため、同じケアをしていてもフケの出やすさには個人差があります。
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執筆・監修医師

藤井麻美
藤井麻美
あさ美皮フ科亀戸駅前 院長

あさ美皮フ科亀戸駅前 院長
皮膚科専門医/医学博士
略歴:愛媛大学医学部を卒業後に大阪大学医学部皮膚科へ入局。退役軍人病院(米国ロサンゼルス州)皮膚科、岐阜大学医学部付属病院皮膚科を経て当院を開業。

所属:日本皮膚科学会/日本レーザー医学会/日本乾癬学会/日本アレルギー学会/江東区医師会