皮膚の病気

皮膚科でのタコ、魚の目の治療法 | 痛みを軽減させるためのアドバイス

タコとウオノメの治療法
藤井 麻美

タコやウオノメは主に足の裏の皮膚の一部が厚く、硬くなり、痛みや不快感を伴うものです。

この記事では、市販薬によるタコやウオノメの痛みを和らげる方法や、イボとの違い、皮膚科クリニックでの手当のやり方、ハイヒールの影響、高齢者への対策などについて詳しく解説いたします。

タコやウオノメは、適切なケアがなされないと症状が悪化することがありますので、早期の対処が大切です。

また、糖尿病の人は痛みを感じにくく、気が付かないうちに悪化することが多いので特に注意しましょう。

名前 / Name  
藤井 麻美 

プロフィール / Profile
あさ美皮フ科亀戸駅前 院長
皮膚科専門医/医学博士
略歴:愛媛大学医学部を卒業後に大阪大学医学部皮膚科へ入局。退役軍人病院(米国ロサンゼルス州)皮膚科、岐阜大学医学部付属病院皮膚科を経て当院を開業。

所属:日本皮膚科学会/日本レーザー医学会/日本乾癬学会/日本アレルギー学会/江東区医師会

タコ、魚の目の症状

タコ、ウオノメ(魚の目)とは、長期間にわたって繰り返し外部刺激(圧力や摩擦)を受け、防御メカニズムとして皮膚が硬く、厚くなった部分のことです1)

手足や膝、お尻、外反母趾のある人の場合はその近くなど体のさまざまな場所にできます。

タコとウオノメ

引用元:Dr. Sung

バイオリンやビオラ奏者は楽器を顎で支えるため、苔癬化(たいせんか:皮膚が硬く厚くなること)や色素沈着を起こし、fiddler’s neckとよばれます。これもタコの一種と言えるでしょう。

タコとウオノメ

引用元:Stringsmagazine

一般的にタコやウオノメは命を落とすような病気ではありませんが、足の裏などの体重がかかる部分にできると、歩く時に痛みを感じることも。

タコやウオノメの症状は、

  • 特定の部位の皮膚が厚くなり、硬くなる
  • 皮膚が厚くなった部位が黄色くなる、中心が白くなる
  • 患部を押さえると痛みや圧痛がある

などです。

タコ、魚の目の原因

タコやウオノメができる原因には、以下のようなものがあります。

  • 肉体労働や楽器の演奏など、繰り返される動作により、皮膚に摩擦や圧力がかかること。
  • ハイヒールなど足に合わない靴を履くことで、足の特定の部位に過度の圧力がかかり、傷つくこと。
  • 外反母趾やハンマートゥなどの足の変形により、足の裏の圧力分布が不均一になること2)。さらに、外反母趾などの場合は、皮膚の特定部位への圧力が高まるため、タコができる原因となります4)
  • 加齢により皮膚が薄くなり、弾力性が低下するため、タコができやすくなります3)

チェック方法(セルフチェック含む)

一番頻度の多い、足を中心にお話します。

タコや魚の目は、足の皮膚が過度の摩擦や圧力にさらされることによって生じる厚く硬い皮膚の塊(かたまり)です。

タコは一般的に皮膚の表面が平らに厚くなりますが、ウオノメは硬くて丸い塊を作り、押すと痛みがあります。

タコとウオノメ

具体的には、

見た目のチェック: 足の裏やつま先、足の側面を注意深く観察して、皮膚が硬く、厚くなっている部分がないかみてみましょう。黄色や灰白色の硬い皮膚の塊を見つけた場合は、それがタコやウオノメのでき始めの可能性があります。

触ってチェック:皮膚が厚く硬くなっている部分は指で触って確認してみましょう。

痛みのチェック: 足の裏や趾(ゆび)に押したり歩いたりすると痛みがある部分があるか探してみましょう。魚の目はしばしば痛みを伴うため、痛みがある場合は注意が必要です。

これらのセルフチェックを行った後、タコやウオノメがあると思われる場合は、薬局で市販されている薬を試すか、皮膚科医に相談してください。

治療方法と治療薬について

タコや魚の目の治療は、皮膚科クリニックの処置と市販薬を用いたセルフケアに分けられます。

<皮膚科クリニックでの処置>

処置: カミソリなどで、タコやウオノメの角質を削ります。痛みはほとんどありません。

タコとウオノメ

手術: タコやウオノメが大きく、他の治療法で効果が不十分な場合には、手術で切除することも。

<市販薬>

スピール膏(イボコロリ®など): サリチル酸ワセリンを含む貼り薬(スピール膏)は、角質を柔らかくし、剥がれやすくする効果があります。適切な大きさに切って使用。貼り方を誤ると正常な皮膚を傷めてしまうので注意してください。

タコとウオノメ

副反応やダウンタイム

市販薬を使用する際は、薬の使用方法や注意事項をよく読んでください。スピール膏を大きく貼りすぎると、周囲の正常な皮膚が解けて、傷んでしまいます。

また、タコやウオノメにウイルス性のイボが合併している場合は、スピール膏で密封するとイボが増殖、悪化してしまうことも。判断に迷う場合は、皮膚科を受診しましょう。

タコとウオノメ

引用元:Nichiban

治療費

保険診療での治療費

皮膚科クリニックでのタコと魚の目を削る処置には医療保険が適応されます。3割負担の方で、1回510円で、この処置は1月に2回まで実施可能です。

痛みがある場合は我慢せず、皮膚科で処置をうけるようにしましょう。

別途診察代や薬をもらった場合は処方箋料などがかかります。

市販薬の価格

スピール膏は1箱で1000円程度です。小さなものなら、こちらでよいかもしれません。

タコとウオノメ

薬の副作用や治療のデメリット(再発等)について

薬の副作用

スピール膏を大きく貼りすぎると、周囲の正常な皮膚が解けて、傷んでしまいます。

また、イボや魚の目にウイルス性のイボが合併している場合は、スピール膏で密封するとイボが増殖、悪化してしまうこともあります。判断に迷う場合は、皮膚科を受診しましょう。

糖尿病や末梢神経障害で痛みを感じにくくなっている人は皮膚が破れて潰瘍になっていても気づかないことがあるので特に注意してください。


再発について

皮膚科で処置を受けた、あるいは市販薬でタコやウオノメが治ったとしても、合わない靴を履き続けていると同じ部位に再発することが。

特に高齢者で足の変形がある場合は再発がよく見られます。自分の足の形に合った靴を履くようにしましょう。足の変形がある場合は、足形にあわせたインソール(中敷き)を使うことも有効です。

タコとウオノメ

引用元:Footmaxx

タコ、ウオノメが重症化した場合

重症化について

タコや魚の目でも放置すると重症化し、合併症を引き起こすことがあります。

特に糖尿病がある方は、末梢神経障害から痛みを感じにくくなるため、症状に気づかぬうちに重症化し、潰瘍、感染症、さらには壊疽といった合併症を起こす可能性が5)

糖尿病で末梢神経障害があると、足の変形や痛覚の欠損が起こります。その結果、足の特定の部位に圧力がかかり、タコやウオノメができやすくなります。

痛みを感じにくいため、知らず知らずのうちに放置してしまい、潰瘍に。そこが細菌の侵入口となり、感染症を起こすことがあるのです6)

感染症はすぐに治療しないと組織が壊死し、足の切断を余儀なくされることもあります7)

病院に勤務していたころは、糖尿病の方のタコの部位が潰瘍になり、感染を繰り返して、皮膚科を受診したときには骨髄炎にまで進行しており、骨が解けていたため足を一部切断した、という方を何人も診てきました。

タコや魚の目で、以下のような症状がある場合はすぐに医療機関を受診しましょう。

  • 患部周辺の痛み、赤み、腫れ
  • 傷や潰瘍が開いている
  • 悪臭のある膿
  • 発熱や悪寒など全身性の症状8)

タコやウオノメの重症化の危険因子

危険因子説明
糖尿病糖尿病は、末梢神経障害のリスクを高め、足底感覚の喪失や足の変形を引き起こします9)
末梢神経障害末梢神経障害により足底感覚が低下し、足の変形が起こります10)
足の変形足の変形は、足の特定の部位へかかる圧が強くなります11)
不適切な靴サイズの合わない靴は、足への圧力や摩擦を増加させます12)
長時間の立ち仕事や歩行長時間の立ち仕事や歩行により、足に過度の圧力がかかる13)

合併症を起こさないための予防策

  • 足を清潔に保つ。
  • フィット感のある履き心地の良い靴を履く。
  • パッド入りの靴の中敷きや装具を使用して、圧力を分散。
  • 足にタコやウオノメなどの異常がないか定期的に点検。

特に、糖尿病や末梢神経障害がある場合は、足に異常があれば医師の診察を受けましょう14)

悪化の理由を知り、適切な予防策をとることで、潰瘍、感染症、壊死、さらには切断などの重篤な合併症を避けることが可能です。

医療連携している病院へ紹介することも

タコやウオノメでも、潰瘍を形成している、あるいは感染を繰り返すような重症例では、基幹病院を紹介することがあります。

大きな病院では皮膚科、糖尿病内科、整形外科などが協力し、糖尿病や末梢神経障害などの根本的な原因に対処し、感染症の治療を行い、患部の処置を行えるからです15)

場合によっては、壊死した組織を手術で切除(デブリードマン)します。また、足の変形のための整形外科的な手術が必要となることも16)

治療が遅れると、感染症や壊死、切断などの合併症を引き起こす可能性があるため、重度のタコやウオノメのある患者さんは、適切な医療を受けることが大事です。

また、糖尿病や末梢神経障害などの基礎疾患をきちんと治療することが、再発防止に重要です。

タコとウオノメ

引用元:糖尿病リソースガイド

まとめ

タコや魚の目は誰にでも起こりうる病気であり、皮膚科での処置や市販薬で治療することができます。

ただし、糖尿病の患者さんでは時に感染症、壊死、壊疽などの重篤な合併症を引き起こすこともあるため注意が必要です。

糖尿病や末梢神経障害の患者さんは、特に足の健康状態に気を配り、異常があると感じた場合はすぐに医師の診察を受けましょう。

参考文献

1)American Podiatric Medical Association. (n.d.). Corns and Calluses. Retrieved from https://www.apma.org/Patients/FootHealth.cfm?ItemNumber=978 
2)British Association of Dermatologists. (2017). Calluses and Corns. Retrieved from https://www.bad.org.uk/for-the-public/patient-information-leaflets/calluses-and-corns 
3)DermNet NZ. (2019). Callus. Retrieved from https://dermnetnz.org/topics/callus/ 
4)Mayo Clinic. (2020). Corns and Calluses: Diagnosis and Treatment. Retrieved from https://www.mayoclinic.org/diseases-conditions/corns-and-calluses/diagnosis-treatment/drc-20355951
5)Boulton AJM, et al. Diabetic neuropathies: a statement by the American Diabetes Association. Diabetes Care. 2005;28(4):956-962. 
6)Singh N, et al. Preventing foot ulcers in patients with diabetes. JAMA. 2005;293(2):217-228. 
7)Lipsky BA, et al. IWGDF guidance on the diagnosis and management of foot infections in persons with diabetes. Diabetes Metab Res Rev. 2016;32 Suppl 1:45-74. 
8)Armstrong DG, et al. Diabetic foot ulcers and their recurrence. N Engl J Med. 2017;376(24):2367-2375. 
9)Boulton AJM, et al. Diabetic neuropathies: a statement by the American Diabetes Association. Diabetes Care. 2005;28(4):956-962. 
10)Vinik AI, et al. Diabetic neuropathy: pathogenesis, classification, and diagnosis. Diabetes Technol Ther. 2001;3(2):251-267. 
11)Lavery LA, et al. Preventing diabetic foot ulcer recurrence in high-risk patients: use of temperature monitoring as a self-assessment tool. Diabetes Care. 2007;30(1):14-20. 
12)Menz HB, et al. Foot problems in older people: assessment and management. Age Ageing. 2006;35(1):2-8. 
13)Owings TM, et al. Plantar pressure reduction in footwear for patients with diabetic neuropathy. Arch Phys Med Rehabil. 2009;90(6):986-992. 
14)Crawford F, et al. Interventions for preventing diabetic foot ulcers. Cochrane Database Syst Rev. 2019;(1):CD001488.
15)Lavery LA, et al. Diabetic foot syndrome: evaluating the prevalence and incidence of foot pathology in Mexican Americans and non-Hispanic whites from a diabetes disease management cohort. Diabetes Care. 2003;26(5):1435-1438. 
16)Lipsky BA, et al. IWGDF guidance on the diagnosis and management of foot infections in persons with diabetes. Diabetes Metab Res Rev. 2016;32 Suppl 1:45-74. 

Q&A(質疑応答)

Q
Q: タコや魚の目(ウオノメ)はなぜできるのですか? 

A: 皮膚の特定の部位が繰り返しこすれたり、過度な圧力がかかることでその部分の角質が硬く、分厚くなっておこります。

Q
Q:タコやウオノメの治療はどんなことをしますか?

A: 角質をやわらかくする塗り薬や、硬くなった角質を削る処置、痛みを和らげるための保護パッドやクッションの使用などがあります。

Q
Q: タコや魚の目を予防するにはどうしたらいいですか

A: 足に合った靴を履くことや、足に合ったインソール(中敷き)を使用すること、定期的に足の角質のケアをすることで予防できます。

Q
Q: タコや魚の目ができやすい場所はありますか? 

A: 足の指の付け根や足の裏、かかとなど、摩擦が起こりやすい、または体重がかかる部分にできやすいです。

Q
Q: タコや魚の目をなくしたいです。

A: 専門の器具で硬く厚くなった角質を削る、角質ケア用の研磨材(やすりなど)を使う、角質を柔らかくする薬を使用する、などがあります。

Q
Q: タコや魚の目が痛い場合は? 

A: 痛みを和らげるクッションや保護パッドを使用し、足に適した靴やインソールを選びましょう。それでも痛みが取れない場合はやはり、皮膚科を受診しましょう。

Q
Q: 角質を柔らかくする薬はどのように使用すればよいですか? 

A: 角質を柔らかくする薬は、患部に塗り指定された時間そのまま置き、その後薬を水で洗い流し、柔らかくなった角質をやすりなどでこすって取り除きます。

Q
Q: 自分でタコやウオノメを削ってもいいですか?

A: 安全に十分に注意し、清潔な器具を使用することが大切です。ただし、深く削りすぎたり、感染のリスクもあるのであまりお勧めできません。皮膚科で処置を受けるようにしましょう。

Q
Q: タコとウオノメの違いは?

A: タコは、皮膚が硬く厚くなった部位です。ウオノメは、硬くなった皮膚の中心に芯ができます。この疹が強い痛みのもとに。

Q
Q: タコや魚の目が運動するときに痛いです。

A: タコやウオノメの痛みが強く、足の動きに制限が生じる場合は、運動に支障をきたすことがあります。適切な治療やケアを受けるようにしましょう。

Q
Q: タコや魚の目が化膿した場合は? 

A: 赤くなり腫れて熱を持っている場合は、皮膚科医に相談し、抗生物質の処方や適切なケア方法を受けましょう。

Q
Q: タコや魚の目は皮膚科に行くべきですか? 

A: 痛みを伴う、化膿している可能性がある、自分で治療しても改善しない場合は、皮膚科医に相談することをお勧めします。

Q
Q: 市販のタコ、ウオノメ用パッチは効果がありますか? 

A: 市販のタコ、ウオノメ用パッチは一時的な痛み緩和に役立ちますが、根本的な原因には対処できないため、長期的な改善には限りがあります。

Q
Q: タコや魚の目はどうして再発するの? 

A: 足に合わない靴の使用、足の変形(外反母趾やリウマチなど)や歩き方などの問題が挙げられます。

Q
Q: タコや魚の目を放置するとどうなりますか?

A: 悪化して痛みが増すだけでなく、感染や潰瘍形成のリスクが高くなります。

Q
Q: 糖尿病患者はタコやウオノメに注意すべきですか? 

A: 糖尿病患者は、足の神経障害や血流障害が起こりやすいため、タコやウオノメによるトラブルが悪化しやすく、注意が必要です。

Q
Q: 足の蒸れがタコや魚の目の原因になりますか? 

A: 足が蒸れて湿度が高い状態が続くと、皮膚が柔らかくなり、タコやウオノメができやすくなることがあります。

Q
Q: タコやウオノメは高齢になるとできやすくなりますか? 

A: 年齢とともに皮膚の弾力が失われ、タコやウオノメができやすくなることがあります。

Q
Q: 高齢者のタコや魚の目について特に気をつけることはありますか?

A:高齢者には、定期的な足のケアや角質ケア、適切な靴の選択、足の保湿ケアなどが勧められます。自力でのケアが難しい場合は、家族や介護スタッフ、専門家の支援を受けるようにしましょう。

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