【不都合な真実】育毛サプリメントや育毛シャンプーに薄毛を治す効果はありません!
抜け毛が気になってきた方の多くは「育毛シャンプーやサプリメントを使ってみようかな」と自宅でできる薄毛対策を考える方がほとんどです。
確かにテレビCMでは髪の毛が生えそうなシャンプーが紹介されていたり、ネットではあたかも髪の毛が生えてきそうなサプリメントの紹介がされていたりします。
あれらは本当に薄毛改善に効果があるのでしょうか?
結論を言います。
育毛シャンプーやサプリメントに薄毛改善の効果はありません。
しかし改善ではなく予防として使えるものなどもあるので、薄毛が気になる方に全く意味がないというわけでもありません。
そこで今回は、ヘアケア商品やサプリメント・シャンプーなどにどのような効果があるのかを説明していきます。
- 購入できるヘアケア商品に効果があるのか知りたい
- まだ薄毛になっていないが予防をしたい
このような回答をしていきますので、ぜひ最後までご覧ください。
育毛と発毛の違い
冒頭の繰り返しになりますが、前提として育毛シャンプーには髪の毛を生やすような効果はありません。
それでも髪の毛が生えるイメージなのは育毛という言葉を使っているからでしょう。発毛と育毛はどちらも薄毛への対策として使われている言葉ですが、効果が異なります。
髪の毛を新しく生やすことを発毛、その効果があるものを発毛剤。
この発毛が効果として認められている発毛剤は日本では「ミノキシジル」という成分が含まれたものだけ
です。
日本皮膚科学会ガイドライン 男性型および女性型脱毛症診療ガイドライン 2017 年版https://www.dermatol.or.jp/uploads/uploads/files/AGA_GL2017.pdf
一方でハリの弱くなった髪の毛にコシを与えたり、今ある髪の毛を維持するのが育毛。その育毛が期待できるものを育毛剤と言います。
具体的には頭皮環境の改善を行い髪の毛の抜け毛を防いだり、しっかり髪の毛が育つ環境を整え髪の毛を太く成長させたりするというものです。
ですので、あくまで 現状維持や予防といった効果しか期待することができません。
では市販のシャンプーやサプリメントでどのような効果が期待できるのでしょうか?
育毛シャンプーで期待できる効果
育毛シャンプーは健康な頭皮環境を作るというもので、繰り返しになりますが育毛シャンプーに髪を生やす効果はありません。
商品にもよるかもしれませんが、育毛シャンプーで期待できるのは
- 健康的な頭皮環境を作ること
- 髪の毛にコシを与え、髪全体をボリュームアップさせること
です。
健康的な頭皮環境を作る
髪の毛は、毛母細胞と呼ばれる部位が頭皮の毛細血管から栄養を受け取り、細胞分裂を繰り返し成長します。
そのため頭皮に毛穴に皮脂が詰まっていたり乾燥していたりすると、髪の毛の成長を阻害し抜け毛を増やす原因となることも。
ちなみに皮脂が過剰に出るというのは、頭皮から過剰に脂が出ている場合やしっかりと洗浄できていないということもあるのですが、意外に多いのは洗いすぎてしまっている場合。頭皮は失った油分を補おうと皮脂を分泌させるのです。
一般的なシャンプーでは洗浄力が強すぎるものもあり余計な皮脂まで洗いながしてしまい、さらに乾燥を悪化させてしまうことが。しかし育毛シャンプーは刺激が少ないものが多いため、頭皮を乾燥から守る効果があり皮脂の分泌や乾燥を防ぎます。
髪にコシを与え、髪全体のボリュームをアップ
髪が薄くなってくると髪のコシも無くなってきます。これは男性型脱毛症になると髪の毛の成長が弱まるためです。
多くの方はAGA(男性型脱毛症)に対して「髪の毛が抜けるのは抜ける病気」というイメージがあると思うのですが、実際には「髪の毛が育たないため薄毛が進行する」という特徴が。
AGAは本来であれば髪の毛は2年から6年かけて育つところが、数ヶ月から1年で成長が止まってしまい、その分髪の毛も細いものになります。
例えば30歳と6歳を比べたら6歳の方が体が小さいですが、髪の毛も本来成長する期間が1/5になれば当然弱い髪の毛しか育ちませんよね。
育毛シャンプーには、髪の毛のハリやコシを補う成分が含まれているので弱い髪の毛にボリュームを持たせることが期待できます。
シャンプーにミノキシジルを配合しないの?
ミノキシジルには髪の毛を生やす効果があります。ではミノキシジルをシャンプーに配合したら配合したシャンプーはないのでしょうか。
日々のシャンプーで発毛効果を得られるから良さそうですよね?しかしながら、ミノキシジルが配合されたシャンプーはありません。
これはシャンプーというのが基本的に洗い流すものですから、シャンプーに含めてもその効果を得る前に洗い流してしまっては発毛成分が無駄に。
それならシャンプー後にミノキシジルを塗布する方が遥かに効果を得ることができます。
例えば、洗剤と柔軟剤を同時に投入すると汚れが落ちづらい上にふっくら仕上がりません。
プラスの効果を期待できるものであっても同時に使っては効果を得にくいものがありますが、汚れを洗い流したいシャンプーと頭皮に浸透させたい発毛成分もそのような関係性にあると言えます。
リアップシャンプーの効果を見てみよう
ドラックストアで買える発毛剤で最も有名なものとして「リアップ」という商品があります。
テレビCMでもよく目にしますのでご存知の方も多いかもしれませんね。
実はリアップにはシャンプーもあり「リアップスカルプシャンプーというものが発売されています。
このシャンプーを見てみると夏の紫外線による頭皮ダメージをしっかり保湿ケアと書かれており、髪の毛が生えるという文面は確認できません。
そして有効成分をみると
有効成分: ピロクトンオラミン、グリチルリチン酸ジカリウム、その他の成分:精製水、ポリオキシエチレンラウリルエーテル硫酸ナトリウム、ラウリン酸アミドプロピルベタイン液、N-ヤシ油脂肪酸アシル-L-グルタミン酸トリエタノールアミン液、ヤシ油脂肪酸ジエタノールアミド、濃グリセリン、ジステアリン酸エチレングリコール、L-リジン液、L-アルギニン、L-システイン、L-グルタミン酸、L-セリン、L-アラニン、L-スレオニン、L-プロリン、グリシン、トリメチルグリシン、DL-ピロリドンカルボン酸ナトリウム液、天然ビタミンE、D-パントテニルアルコール、ビオチン、ニコチン酸アミド、海藻エキス(1)、ショウキョウチンキ、オウレンエキス、l-メントール、塩化O-[ 2-ヒドロキシ-3- (トリメチルアンモニオ)プロピル]ヒドロキシエチルセルロース、1,3-ブチレングリコール、ソルビット液、ポリプロピレングリコール、クエン酸、安息香酸ナトリウム、エデト酸二ナトリウム、無水エタノール、フェノキシエタノール、香料
とあり、やはりミノキシジルが入っていないことがわかります。
その他の育毛シャンプーも毛根から生えた髪の毛のイメージを使いながら髪の毛が生えるとは書かれていません。
やはり育毛シャンプーにミノキシジルが使われていることはなく、発毛効果もないということがわかりますね。
育毛サプリメントで期待できる効果
育毛サプリメントもシャンプーと同様、髪の毛を生やす効果はありません。
そもそも薬とサプリは
- サプリメント…分類上は食品、誰でも服用できる
- 薬…医薬品で、特定の病気を持っている人のみ服用可能
という違いがあります。
では「サプリメントに全く効果がないか?」というと、そうとも言い切れません。
髪の毛の主成分は「ケラチン」というタンパク質の一種。髪の毛のおよそ80%を占めるケラチンが不足すると髪の毛の成長が阻害され、髪の毛の艶もなくなります。
このケラチンを摂取することにより髪の毛にコシが生まれれば、人によってはそのサプリメントには効果があったと考えることもできるかもしれません。
ただし繰り返しになりますが発毛を促すサプリメントはありませんので過度な期待を持つべきではないでしょう。
髪の毛が生えるというサプリ広告
広告の中には「飲むだけで髪が生える」といった広告を出している商品もあります。
サプリメントの販売には薬事法という法律により、効果を謳うことができませんので販売しているメーカーが「髪の毛が生える!」といっているわけではありません。
広告を取り扱っている業者が勝手に「髪の毛が生える」といったキーワードで広告を出稿しているだけですので注意が必要です。
誤った情報に騙されないように、サプリメントはあくまで補助栄養食品だという理解を持って購入してください。
予防できる薄毛と病院に
この記事を読んでいる方あなたが「薄毛が気になる」のであれば、あなたの薄毛が発症している原因を考える必要があります。
抜け毛の理由が
- 頭皮環境が清潔でない
- 喫煙による影響
- 過度なダイエット
- 外部要因による牽引性脱毛
であればご自身で改善することができる可能性がありますが、
- AGA(男性型脱毛症)
- FAGA(女性化型脱毛症)
- 原因不明の円形脱毛症
という理由での脱毛は、体質の問題ではないので薬を使った治療を行わなければ改善する見込みはほとんどありません。
頭頂部や生え際の薄毛はAGAによるものです。
これらの発症は5αリダクターゼという還元酵素とテストステロンというホルモンが影響しているため、発症した後に生活習慣で改善することはできません。
また進行していく病気ですのですぐに医療機関にかかることをお勧めします。
自宅でできる育毛
シャンプーやサプリメントに頼らなくても、薄毛の予防は自分で行うことが可能です。
具体的には以下の点に気をつけてください。
- 栄養のある食事
- 正しいシャンプー
- 禁煙
- ストレス解消
栄養のある食事
過度なダイエットを行うと、髪の毛の艶がなくなり抜け毛が増えることがあります。
これは髪の毛を作る栄養が足りなくなり、毛母細胞まで栄養を届けることができなくなっているためです。
栄養があれば髪の毛が増えるわけではありませんが、少なくとも栄養がないよりは髪にプラスの影響を与えることができます。髪を作るケラチン(タンパク質)とビタミンを多めに摂取するよう、食事の内容に気をつけてください。
正しいシャンプー(洗髪)
髪にとって頭皮環境というのは、作物が育つ土地のような関係。頭皮に異常があれば強い髪の毛は育ちません。
頭皮環境を清潔に保つために重要なのがシャンプー(洗髪)。
シャンプーをする際は指の腹でマッサージするように洗い、頭皮を洗った後はすすぎ残しがないように洗髪よりも長い時間をかけて泡を洗い流してください。
たまに湯シャンが頭皮に良いという、とんでも論を耳にすることもありますが、毎日の洗髪で重要なのは「皮脂をしっかり洗い流せるかどうか」です。
1日3回も4回も頭を洗っている方は洗い過ぎだと思いますが、1日1~2回であれば特に問題はありません。
禁煙
薄毛が怖い方は、絶対にタバコを吸わないでください。
タバコに含まれるニコチンは毛細血管の収縮を起こし血行を悪くします。血行が悪くなれなれば毛細血管から栄養を受け取っている毛母細胞は十分な栄養を受け取ることができなくなり、髪の毛の成長を阻害。
ストレス解消
昔からストレスは抜け毛を増やすという噂がありますが、実はストレスと抜け毛には医学的な根拠はありません。
しかし、研究の中にはストレスが抜け毛を増やすというデータもあり、厳密には「ストレスが抜け毛を増やすかどうかはよくわからない」という状態です。
個人的には強いストレスが髪に全く影響を与えないとは思いませんし、そもそも強いストレスは人生に良い影響を与えませんので、強いストレスからは逃げた方がよいと思います。
まとめ
既に少しでも薄毛になっているのであれば、育毛サプリメントや育毛シャンプーでその状況を改善することはできません。
育毛サプリメントや育毛シャンプーでできるのはあくまで予防ですので、もし薄毛が気になってきたという方はサプリメントやシャンプーを変えるのではなく、クリニックで診察を受けてみてください。
薄毛は進行する病気ですので早めの治療が大切です。