帯状疱疹と神経痛、ワクチンで予防可能(2023年は東京都では公費助成があります)
帯状疱疹とは、水痘・帯状疱疹ウイルス(VZV)が体内で再活性化し、皮膚に痛みやかゆみを引き起こす病気です。日本人成人は約90%の人が体内にVZVをもっています。
加齢や免疫力の低下、ストレスなどが要因となり発症し、多くの人がその痛みに苦しみます。また、目や耳などに合併症を引き起こすこともあり、場合によっては入院治療が必要になることも。
さらに、後遺症として神経痛が続くことも。帯状疱疹と帯状疱疹後神経痛のリスクを予防するため、ワクチン接種が推奨されています。
帯状疱疹とは?水痘との違いについて
帯状疱疹と水痘(水ぼうそう)はどちらも水痘・帯状疱疹ウイルス(VZV)によって引き起こされますが、症状や好発年齢が異なります。
病名 | 帯状疱疹 | 水痘(水ぼうそう) |
発症機序 | 水痘罹患歴のある(予防接種含む)成人(50歳以上が多い)や免疫力が低下した人に発症する水痘・帯状疱疹ウイルスの再活性化。 | 水痘・帯状疱疹ウイルスによる一次感染(初回感染)で、通常、小児に発症。 |
症状 | 痛みを伴う赤い発疹や水ぶくれが、体の片側に神経の通り道に沿って帯状に現れ、患部の痛み、かゆみ、ピリピリ感、灼熱感、などの前駆症状を引き起こすことも。 | 頭皮や耳介なども含めて全身に小さな水ぶくれや赤い発疹が広範囲に広がり、発熱や全身倦怠感がみられることも。 |
痛み | 水痘と比較して、より激しい痛みを伴うことが多い。帯状疱疹の痛みは、水痘・帯状疱疹ウイルスが神経を傷つけることによって引き起こされ、発疹が治った後も続くことが(帯状疱疹後神経痛)。 | 水痘では通常痛みは伴わない。 |
感染力 | 帯状疱疹は水痘より感染力が弱く、感染は、帯状疱疹の水疱から出る液に直接触れることによっておこる(接触感染)。水痘や帯状疱疹罹患歴のない人にしか感染しない、感染した場合は水痘を引き起こす。 | 水痘は感染力が強く、空気感染する。感染者の唾液飛沫中にウイルスが含まれている。 |
ワクチン | 帯状疱疹ワクチンは帯状疱疹およびその合併症の発症リスクを低減するために50歳以上の成人に推奨されており、自治体によって公費助成がある。 | 水痘ワクチンは日本では2014年以降定期的予防接種として通常1~3歳の小児に2回接種される。 |
帯状疱疹と水痘は、どちらも水痘・帯状疱疹ウイルスによって引き起こされますが、異なる症状を示します。
水痘は水痘・帯状疱疹ウイルスに初めて感染した時に発症する全身性の感染症。主に小児でみられます(成人の場合は成人水痘と言って区別され、重篤になることが多い)。
一度水痘に感染すると、ウイルスは体内に潜伏し、生涯消えることはありません。これはワクチンを受けた場合も同じです。
日本では、ほとんどの人が小児期に水痘にかかるか、予防接種を受けるなどして水痘・帯状疱疹ウイルスを体内に持っています。
ウイルスは神経節に潜んでおり、加齢やストレスによって免疫力が低下すると、ウイルスが再活性化し、神経の一部に沿って痛みのある水疱を引き起こすのが帯状疱疹です。
帯状疱疹は通常高齢者や免疫力の低下した人にみられます。帯状疱疹は、80歳までに約3人に1人が発症すると言われており、私たちにとって身近な病気です。
また国立感染症研究所の調査では、日本人成人の90%以上が体内に水痘・帯状疱疹ウイルスが潜伏していることが分かっています。
引用元:maruho
帯状疱疹の症状は?
帯状疱疹の症状は、大きく前駆期と活動期の2つに分けられます。
前駆期は、発疹が出る数日前から、患部の痛み、かゆみ、ピリピリ感、灼熱感、発熱、頭痛、全身倦怠感などさまざまな症状が現れます1)。
これらの前駆症状は、他の疾患と間違われることが多く、発疹がなければ診断が困難なことも。
頭痛がひどくて脳神経外科に行った、腹痛がひどくて胆石を疑われて内科に行った、胸が痛くて心臓病だと思い心電図を撮った、などのエピソードのあと数日してその部分に水疱ができたので皮膚科に来ましたという患者さんにしばしば遭遇します。
帯状疱疹の活動期は、ちくちく、ぴりぴりした痛みのある水疱や赤い発疹が出現。発疹は通常、体の片側に、神経の通り道に沿って帯状に発生します2)。
それゆえ、帯状疱疹(たいじょうほうしん、水ぶくれという意味)という病名がついています。発疹は小さな赤い斑点で始まり、すぐに水疱に変化(水疱になって初めて気づかれることも多い)。
水疱がやぶれてびらんとなり、やがて乾燥したかさぶたになります3)。この段階では、かゆみと痛みがよく見られる症状です4)。
引用元:maruho
帯状疱疹に伴う痛みは時に非常に強く、患者さんはライターの火を直接押し当てられているような痛みや針でぶすぶす刺されているような痛み、などと表現。
この痛みはウイルスが神経を傷つけるために起こるもので、発疹が治った後も続くことがあり、帯状疱疹後神経痛(PHN)と呼ばれます5)。
また、前述の症状に加えて、人によっては視力低下につながる眼病変(眼球帯状疱疹)や髄膜炎などの神経学的合併症を起こすことも6)。
帯状疱疹の主な症状について、以下の表にまとめました。
ステージ | 症状 |
前駆症状 | 痛み、かゆみ、しびれ、発熱、頭痛、倦怠感 |
活動期 | 水疱性発疹、激しい痛み、かゆみ |
帯状疱疹の症状の重症度や持続期間は個人差が大きく、軽い症状の人は1週間くらいで痛みもかゆみもほぼ消失しますが、痛みが数週間、場合によっては数か月続くような重症の人も。
帯状疱疹の前駆期は通常、発疹が出現するまでの1~5日間続くとされています7)。それ以上、例えば1か月以上痛みが続くような場合は、痛みの原因は帯状疱疹ではない可能性が高いです。
帯状疱疹の発疹自体は通常7~10日間続き、約1週間後に痂皮ができ始めます8)。ただし、症状が重篤な場合は、患部に大きな皮膚潰瘍を残すことが。
帯状疱疹に伴う痛みはかなり強く、人によっては数週間、あるいは数ヶ月続くこともあると報告されています9)。
ただし皮膚科を受診する帯状疱疹の患者さんの中には痛みはなく、かゆみしか訴えない人も。
私個人の感想になりますが、比較的若い人(20~30代)の帯状疱疹患者さんでは痛みよりかゆみの訴えが多いような気がします。
帯状疱疹、というと痛みのイメージが強いかもしれませんが、実はかゆみを訴える患者さんも多いのです。かゆみは帯状疱疹の人が経験する一般的な症状で、約70%の患者にみられます10)。
帯状疱疹の原因
帯状疱疹は、水痘の原因でもある水痘・帯状疱疹ウイルス(VZV)の再活性化によって起こる痛みを伴う皮疹です。
水痘に感染し、治った後もウイルスは神経細胞内で休眠状態にはなりますが体内で生き続けます。そして後に再活性化して帯状疱疹を発症することが11)。
ウイルスが再活性化する要因は、加齢、免疫力の低下、がんなどの特定の病気が挙げられます12)。
帯状疱疹は通常、体の片側に痛みを伴う水ぶくれ状の発疹が。多くは神経に沿った帯状のパターンで現れます。
発疹が治るまで数週間かかることがあり、場合によっては発疹が治った後も痛みが数ヶ月続くことが。帯状疱疹を発症して、その部分に痛みが残ることを帯状疱疹後神経痛と言います13)。
帯状疱疹発症の危険因子には以下のようなものがあります。
<加齢>
帯状疱疹の発症リスクは加齢とともに増加し、特に50歳以上では顕著です11)。そのため、日本では帯状疱疹ワクチンの予防接種は通常50歳以上から接種が認められています。
<免疫不全の方>
HIV/AIDS患者、臓器移植を受けた人、化学療法を受けている人など、免疫力が低下している人は、帯状疱疹を発症するリスクが高くなります12)。
<がん患者>
がん治療を受けている人やがんの既往歴のある人は、免疫力が低下していることがあり、帯状疱疹にかかりやすい14)とされています。
帯状疱疹は、ワクチンで予防することが可能です。このワクチンは、帯状疱疹や帯状疱疹後神経痛などの合併症の発症リスクを低減することができます15)。
特に、高齢者や免疫不全の方など、帯状疱疹の発症リスクが高い方にとっては有益なワクチンと言えるでしょう。
2023年現在、帯状疱疹ワクチン接種は季節性インフルエンザの予防接種同様、保険診療ではなく自費診療となり、全額自己負担となります。
ですが、自治体によってはワクチン接種の費用を一部助成するところも。ワクチンについてはこの後でも詳しく解説します。
検査方法(セルフチェック含む)
帯状疱疹では、痛みのある伴う発疹が、通常、体の片側に集中的に現れます。
痛みやかゆみなどの症状の出方が、発見の重要な要素になることも。実際に帯状疱疹の患者さんの多くは、発疹が現れる前に、患部がピリピリしたり、痛みを感じたりする16)と報告されています。
もし、痛みやかゆみがある場合はその部位をじっくり観察してみましょう。
帯状疱疹は、通常、体または顔の片側に、帯状の赤い発疹や水疱がみられます。
通常は痛みを伴う赤い発疹で始まり、水疱に進行し、約7-10日でかさぶたに。特徴的な皮疹の分布パターンから診断がつきます17)。
皮膚科クリニックでは、問診と視診のみで帯状疱疹と診断できることが多いですが、疑わしい症例にはウイルスチェック(日本で流通しているのはデルマクイックVZV®)を活用することも。
COVID-19感染症の大流行で一般的になったウイルスの抗体検査ですが、基本原理は同じ。水疱の中から検体を採取し、ウイルスを検出するものです。
デルマクイックが出る前は、Tzanck試験と言って、水疱から検体を取り顕微鏡でウイルスに感染した細胞を観察するのが一般的でした(今でもやっている施設も多い)18)。
Tzanck試験では、ウイルス感染の有無はわかるのですが、帯状疱疹なのか単純疱疹(単純ヘルペス)なのかの区別はできません。
引用元:ウィキペディア
<帯状疱疹を見分けるポイント>
- 帯状疱疹の発疹は、通常、体または顔の片側だけに現れます。
- 痛みとかゆみがみられます。
- 発疹は赤い斑点から水疱へと進行し、1週間ほどでかさぶたができます。
- 医療機関ではウイルス検査も可能です(市販はされていません)。
これらの症状があり、帯状疱疹が疑われる場合は、必ず医療機関を受診するようにしましょう。
帯状疱疹の治療薬
帯状疱疹は水痘・帯状疱疹ウイルスの再活性化によって発症するため、抗ウイルス薬が治療の柱となります。
ただし、抗ウイルス薬の治療はウイルスを死滅させることではなく、症状を軽減することを目的としています。
水痘帯状疱疹ウイルスは一旦感染するとウイルスは生涯体から消え去ることはありません。
帯状疱疹の治療では抗ウイルス薬を使用しますが、ウイルスを排除するのではなく、活性化しているウイルスを鎮めるというイメージです。
さらに帯状疱疹ではその痛みや皮膚炎を抑えるために鎮痛剤や外用剤を組み合わせて治療を行います。
抗ウイルス薬(点滴と内服薬について)
帯状疱疹の治療の基礎となるのは抗ウイルス薬です。
日本国内で帯状疱疹に保険適応があるのは、
- アシクロビル(ACV)の点滴製剤と内服薬
- バラシクロビル(VACV)の内服薬
- ファムシクロビル(FCV)の内服薬
- アメナメビル(AMNV)の内服薬
です。
発疹が出始めてから72時間以内に抗ウイルス療法を開始するのがよい19)です。
しかし、発症して5日以上経っていても、新しい発疹がある場合や眼や耳などの合併症がある場合、あるいは帯状疱疹後神経痛(PHN)発症リスクが高い場合には、抗ウイルス薬を投与した方がよい20)とされています。
抗ウイルス薬の投与により、ウイルス排出期間の短縮、新たな皮膚病変の出現抑制、皮膚病変の治癒の促進効果、帯状疱疹後神経痛などの合併症のリスクを下げる効果が21)。
バラシクロビルとファムシクロビルは、急性期疼痛およびPHNを含めた帯状疱疹関連疼痛(ZAP)の消失までの期間を短縮させると報告されています22-24)。
アシクロビル (Acyclovir)は1970年代に開発されました。2020年代においても帯状疱疹に対して点滴投与ができる唯一の抗ウイルス薬です。
免疫不全患者(骨髄移植後やHIV感染症者など)や重症例や髄膜炎合併例などではアシクロビルの点滴投与が行われています。1日3回投与が必要なため、基本的に入院加療が前提です。
しかし、アシクロビルは内服した場合に吸収率が低いという弱点があります。そのためアシクロビルを内服する場合は、1日5回も飲まないといけないのです。
1日5回内服というのは、患者さんにとって大きな負担となります。そこで登場したのがバラシクロビルです。
バラシクロビルは 1990年代に開発された、アシクロビルのプロドラッグ(体内で活性化される前の薬物形)。体内でアシクロビルに変換され、その効果を発揮します。
バラシクロビル錠はアシクロビル錠に比べて、吸収率が非常に高く、帯状疱疹の用量で内服した場合のアシクロビル濃度はアシクロビル静注液を最大量投与した時と同程度です。
かつ、バラシクロビル錠の内服は1日3回でよいため、患者さんの利便性が高く、長らく帯状疱疹の内服薬の主役として使われていました。
しかし、アシクロビルもバラシクロビルも腎臓で代謝される薬剤であり、腎機能が悪い人では副作用のリスクが。
帯状疱疹は高齢者に多く見られる病気のひとつですが、高齢者では腎機能低下がある場合も多く、注意が必要でした。
高齢者以外でも、腎機能の低下している人、例えば透析をしている人などでは投与量や間隔の調整が不可欠だったのです。
あとで説明しますが、アシクロビル中毒(脳症)という怖い合併症が抗ウイルス薬にはあります。そうした中で1990年代にファムシクロビル錠が登場しました。
バラシクロビル錠同様に吸収率を向上させたプロドラッグですが、用量がアシクロビルの約半量でいいため、血中濃度が高くなり過ぎず、そのために腎障害の報告が少ないと考えられています。
ただし注意点として、神経細胞での半減期はアシクロビルに比べて長いため、精神神経症状の副作用は発現しやすい可能性が。
そして2017年7月にアメナメビル(1日1回400mg)が帯状疱疹の治療薬として承認。このアメナメビルは、主に糞便中に排泄されます。
腎機能の低下した人や高齢者においても投与量に調整が必要ないため、皮膚科クリニックで広く使われるようになりました。またアメナメビルは、1日1回内服でよいので患者さんの負担は軽くなります。
腎機能を気にせず投与でき、1日1回内服でよいアメナメビルですが、髄液中への移行がほとんどないため、ヘルペス性脳髄膜炎などの中枢神経系の合併症のリスクが高い場合(三叉神経領域の帯状疱疹など)には適さないとされています。
抗ウイルス薬以外の治療について
帯状疱疹の治療では、痛みのコントロールもとても重要です。非ステロイド性抗炎症薬(NSAIDs)で、帯状疱疹の急性期の痛みと炎症を緩和することができます25)。
帯状疱疹の痛みは時に激しく、ペインクリニックでの神経ブロック注射やオピオイド(麻薬)が使われることも。帯状疱疹の痛みについてはこのあと章を分けて説明します。
帯状疱疹で起こる皮膚の炎症や水疱に対しては、塗り薬も使用。背中などに症状があると、下着や衣服に擦れてチクチクするといった不快感が出ることがあります。
そのような場合は患部をガーゼで保護することも。
抗ウイルス薬の副作用について:アシクロビル中毒
アシクロビルは治療に必要な血中濃度域と中毒域が接近しているため、わずかな血中濃度の上昇でも中枢神経や腎臓に中毒症状を起こす可能性があります26)。
高齢者では血液検査をして腎機能を確認してから投与量を調節していても、時折このアシクロビル中毒がみられることが。
高齢者に腎臓で代謝される抗ウイルス薬を使う際には、慎重に投与する必要があります。
腎機能の低下により、アシクロビルの排泄が遅れ、体内に薬物が蓄積され、過剰摂取状態になり、急性腎不全を引き起こすことがあるからです。
さらに、過剰なアシクロビルの摂取はアシクロビル脳症を引き起こすこともあります。アシクロビル脳症では、幻覚、昏睡、痙攣などの症状が。
最近は、高齢者の帯状疱疹にはアメナメビルを選択することが多くなり、アシクロビル脳症になる人は減少してきている印象です。
帯状疱疹が重症化する場合
重篤な合併症①髄膜炎
帯状疱疹に伴う合併症の中で、最も深刻なものの一つが髄膜炎です。
髄膜炎とは、髄膜(脳と脊髄を覆う保護膜)の炎症のこと。ウイルスが発疹部位から中枢神経系に広がったときに起こり、特に顔(三叉神経)や首の帯状疱疹で発症しやすいとされています。
帯状疱疹性髄膜炎を発症すると、激しい頭痛、発熱、吐き気、光に対する過敏症などが。髄膜炎がある場合は入院加療が必要になります27)。
重篤な合併症②眼球ヘルペス
帯状疱疹が三叉神経、特に眼球部を侵すと、眼球の合併症が起こることがあります。その場合、激しい目の痛み、充血、光線過敏、そして角膜に障害を起こし視力低下を引き起こす可能性が28)。
そのため、顔面の帯状疱疹(特におでこ、三叉神経第1枝)がある場合は、必ず眼科で診察を受けるようにしましょう。
重篤な合併症③ラムゼイハント症候群
ラムゼイハント症候群は、ハント症候群とも呼ばれ、片耳の周りに水疱(帯状疱疹)を伴う痛みを伴う発疹と顔面神経麻痺を含む症状を併発するものです。
水痘・帯状疱疹ウイルスが、顔面神経の神経細胞束で再活性化することによって引き起こされます29)。
- 耳の痛みや発疹(耳の中にも見られます)
- 顔面神経麻痺(顔がうまく動かせない)
- 舌や口腔内の水疱、びらん
ただし、この三徴候が完全に現れるのは、患者の約3分の2と言われています 30)。
また、以下のよう症状がみられることも。
- めまい
- 聴力低下(片側)
- 耳鳴り
ラムゼイハント症候群は、単なる皮膚科的な疾患ではなく、複雑な神経疾患であるため、神経内科、皮膚科、耳鼻咽喉科などの専門医による集学的な治療が必要になります。
耳のまわりに帯状疱疹がある場合は、耳鼻科でも診察を受けましょう。もし、ここにあげたラムゼイハント症候群を疑うような症状があれば、すぐに耳鼻科医の診察が必要です。
ラムゼイハント症候群の治療は、水痘・帯状疱疹ウイルスに対抗するための抗ウイルス薬と、炎症と腫れを抑えるための副腎皮質ステロイドが使われます。
また、痛みを伴うことがあるため、疼痛管理も重要です。治療にもかかわらず、帯状疱疹後神経痛、永続的な顔面神経麻痺、難聴などの後遺症が残る患者さんもおられます。
できるだけ早期に治療(特にステロイド)を開始することが後遺症を減らす31)と言われていますが、完全に予防することはできません。
引用元:BMJ Journals
汎発性帯状疱疹
汎発性帯状疱疹は、播種性帯状疱疹とも。水痘帯状疱疹ウイルス(VZV)が、皮膚炎を伴う局所的な再活性化から全身に症状が播種(はしゅ:ばらまかれること)することで起こります。
汎発性帯状疱疹は、HIV/AIDS患者、化学療法中、臓器移植を受けた人、高齢者などの免疫力が低下している人に多いです32)。
汎発性帯状疱疹の症状は、一般的な帯状疱疹とは異なりひとつの神経支配領域を超えて赤い発疹や水疱がみられ、多くの場合、感染は従来の帯状疱疹と同様に始まりますが、数日のうちに広がります33)。
汎発性帯状疱疹を発症した場合、帯状疱疹後神経痛、肝炎、肺炎、脳炎などの合併症のリスクも上昇34)。
汎発性帯状疱疹となった場合は、入院して抗ウイルス薬の点滴投与が。
局所的な帯状疱疹は通常、感染力は強くありませんが、汎発性の帯状疱疹は皮膚病変のウイルス量が多いため、通常は水痘と同じ感染予防管理を行います。
しかし、治療を行っても予後は悪いです。特に重度の免疫不全患者では、帯状疱疹後神経痛などの合併症がよく見られます35)。
帯状疱疹後神経痛(PHN)について
皮膚の症状が治まったあとも、帯状疱疹の痛みが残ることが。3か月以上痛みが続くものを帯状疱疹後神経痛(PHN)と呼びます。
痛みは数年以上続くことも。帯状疱疹後神経痛は帯状疱疹の合併症の中で最も多いものです。帯状疱疹後神経痛の発症リスクは、年齢とともに高くなる傾向に36)。
50歳以上で帯状疱疹となった人のうち、約20%がPHNになると言われています37)。
PHNでは帯状疱疹の発疹があった部分に、発疹や水疱が治った後も痛みが続くことが特徴。痛みは持続的または断続的で、その強さも人によってばらばらです。
灼熱痛、鋭く刺すような痛み、などと表現38)。
重症のPHN重症では、眠れないほどの痛みを伴うこともあり、患者さんの生活に大きな支障をきたします。
痛みのためにうつ病になるなど、生活の質(QOL:Quality Of Life)の著しい低下につながることも。また、睡眠障害、体重減少、疲労感をもたらすこともあります39)。
PHNの痛みの具体的な特徴としては、以下のようなものが:
- 一定または断続的な痛み
- 激しい痛み、鋭い痛み、刺すような痛み、灼熱の痛み
- かゆみまたはしびれ
- 風にあたる、衣服でこすれるなど、少しの刺激で痛みが誘発される。
PHNの病態生理は完全には解明されていませんが、帯状疱疹の急性期に知覚神経が損傷することが関与していると考えられます。
この神経損傷により、皮膚病変が治癒した後も痛みが持続することに。帯状疱疹の急性期に強い痛みがある人、発疹が広範囲に及ぶ人、高齢の人はPHNを発症しやすいということがわかっています40)。
PHNで痛みの程度が深刻な場合は、ペインクリニックでの専門的治療(神経ブロックなど)が必要になることも。ワクチンによる帯状疱疹の予防が、PHN41)の予防に最も有効だと考えられています。
帯状疱疹の予防
帯状疱疹予防のワクチンは2種類あり
帯状疱疹とその合併症である帯状疱疹後神経痛を予防するために、予防ワクチンが開発され、多くの国々で実施。ワクチンにより、帯状疱疹とその後遺症の発症リスクが低くなります。
帯状疱疹ワクチンには、生ワクチンと不活化ワクチンの2種類が。生ワクチンのビケン®は、1回接種のワクチンで、最初に承認された帯状疱疹ワクチンです。
もともとは水痘のワクチンとして開発されたもの。帯状疱疹のリスクを約51%、帯状疱疹後神経痛のリスクを約67%低減42)。ただし、高齢者、特に80歳以上では効果が薄いとされています。
また、免疫力が低下している方には使用できません。
一方、シングリックス®は不活化ワクチンで、帯状疱疹の予防のために開発されたワクチンです。50歳以上の成人に接種が推奨されています。
2回に分けて接種し、2回目は1回目の接種から2~6ヵ月後に接種します。このワクチンは、帯状疱疹のリスクを90%以上低減し、9年以上有効です。また、帯状疱疹後神経痛の予防にも85%以上の効果があります43)。
2つの帯状疱疹ワクチンの要点です(価格は当院のものです)
乾燥弱毒生ワクチン(ビケン®) | 不活化ワクチン(シングリックス®) | |
水痘および50歳以上の者に対する帯状疱疹の予防 | 帯状疱疹の予防 | |
対象 | 50歳以上免疫力が低下する疾患に罹患されている人や、免疫力を抑える薬を服用されている方は接種できません | 50歳以上制限はありません |
接種回数 | 1回 | 2回(2ヶ月後に2回目) |
接種方法 | 皮下注射 | 筋肉内注射 |
帯状疱疹予防効果 | 50~59歳:69.8%60歳以上:51.3% | 50歳以上:97%70歳以上:91% |
帯状疱疹後神経痛予防 | 66% | 85~100% |
持続期間 | 5年程度 | 9年以上 |
副反応 | 1%接種部位の痛み・腫れ・発赤 | 6~11%接種部位の痛み・腫れ・発赤・発熱 |
価格 | 8,800円 | 44,000円(1回22,000円×2回接種) |
長所 | 1回で済む値段が安い | 予防効果が高い持続期間が長い免疫力が低下している人も接種可能 |
短所 | 持続期間が短い免疫力が低下している人は接種できない | 値段が高い注射部位の腫れが強い2回接種が必要 |
2023年より生ワクチンや不活化ワクチンの接種費に関し、東京都では50歳以上を対象にその費用の約2分の1を補助することになりました。
当院は江東区の指定医療機関ですので、50歳以上で江東区在住の方は当院で帯状疱疹ワクチンを接種すると、区より約半額が助成されます(注:指定医療機関以外だと区の助成が受けられないことがあります)。
詳しくは区のホームページ、あるいは当院までお問い合わせください。
https://www.city.koto.lg.jp/260502/fukushi/hoken/yobo/05taijouhoushin.html
自分でできる予防について
自分でできる帯状疱疹予防には生活習慣の見直しなどが。
バランスのとれた食生活を心がける:様々な果物、野菜、全粒粉、赤身のタンパク質、健康的な脂肪をバランスよく摂取することで、免疫系システムを維持するのに役立ちます44)。
定期的な運動: 体を動かすことは、免疫力を高め、ストレスを軽減し、帯状疱疹のリスクを低減さるのです45)。
ストレスマネジメント:
慢性的なストレスは免疫力を低下させ、帯状疱疹のリスクを高める可能性が。
瞑想、ヨガ、深呼吸など、自分にあったストレス軽減法を実践することで、免疫力の低下を防ぎ、帯状疱疹のリスクを下げることができます46)。
十分な睡眠:
十分な睡眠をとることは、健康状態を良好に保ち、免疫力を低下させないために不可欠です。7~9時間の睡眠をとることを目指しましょう47)。
これらの生活習慣の改善に加えて、前章でも述べたように予防接種を受けておくことが重要です。
米国疾病管理予防センター(CDC)は、帯状疱疹とその合併症を予防するために、50歳以上の成人に不活化ワクチン(シングリックス®)を接種することを推奨しています48)。
まとめ
帯状疱疹は多くの人が子どものときにかかった水痘(水ぼうそう)のウイルスが原因で起こり、加齢などによる免疫力の低下が発症の原因です。
特に50歳以降で発症率が高くなり、80歳までに約3人に1人が帯状疱疹を発症すると言われています。帯状疱疹の治療には抗ウイルス薬と痛みの管理が必要で、重症例では入院治療が必要となる場合も。
帯状疱疹や帯状疱疹後神経痛の予防にはワクチンが有効で、特に高齢者に推奨されています。
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QandA(質疑応答)
帯状疱疹は水痘・帯状疱疹ウイルス(VZV)により引き起こされます。水痘に罹患した後もウイルスは神経細胞に潜伏感染。何年、何十年後にウイルスが再活性化して帯状疱疹を引き起こします。
帯状疱疹では、皮膚の一部に帯状の発疹と痛みが現れます。その他の症状には、頭痛、発熱、体のだるさなどが。
はい、水痘に罹ったことがある人、または水痘の予防接種を受けた人は誰でも帯状疱疹になる可能性が。特に免疫力が低下している人や高齢者に多く見られます。
抗ウイルス薬が一般的に使用され、痛みに対する治療も重視されています。
帯状疱疹は直接他人に感染することはありません。発疹部にはウイルスがいるので、それに接触した人が水痘を発症する可能性があります。
帯状疱疹の予防策としてはワクチン接種が。これは特に高齢者や免疫力が低下している人々に推奨されます。
帯状疱疹後の神経痛は帯状疱疹の症状が治まった後も続く慢性の痛みで、治療が難しく日常生活に大きな影響を及ぼすことがあります。
帯状疱疹のワクチンは、水痘・帯状疱疹ウイルスに対する免疫反応を強化し、ウイルスの再活性化と帯状疱疹の発症を防ぎます。
ワクチン接種後に一時的な痛み、腫れ、または発赤が注射部位に現れることがあります。また、発熱や頭痛がみられることも。
通常は一度接種すれば効果がありますが、医師の指示に従って定期的に接種する場合もあります。
医師は皮膚の発疹やその他の症状から診断。帯状疱疹かどうかはっきりしない場合は発疹部より検体を取ってウイルス検査を行うこともあります。
皮膚科を受診してください。症状により、神経内科や眼科、耳鼻科、感染症科への紹介が必要な場合もあります。
痛み止めの薬が処方されている場合はそれを内服し、なるべく安静にして過ごしてください。患部をあたためると楽になることも。重度の痛みの場合は神経ブロックという手法も利用されます。
発疹は通常2~4週間で自然に治りますが、その後も神経痛が続くことがあります。
帯状疱疹は再発する可能性があります。特に免疫力が低下している人は再発リスクが高いです。
通常、50歳以上の人に推奨されます。
これは地域や保険制度によるため、各自で地元の保健所や医療機関に問い合わせましょう。2023年現在、東京都では50歳以上の都民に対し指定医療機関での接種に限り、約半額を助成しています。
生ワクチンでは免疫力の低下が著しい人などには推奨されません。接種を検討している場合は、必ず医師と相談するようにしましょう。
帯状疱疹のウイルスが神経細胞を損傷し、その結果、痛み信号が誤って送信され続けることが帯状疱疹後神経痛の主な原因です。
医薬品(鎮痛剤や抗てんかん薬や抗うつ薬など)、神経ブロック、外用療法(局所麻酔クリームなど)、などが。重度の痛みにはペインクリニックに紹介となります。