男性型脱毛症

もしかしてハゲてきた?AGAチェックのポイントと早期対策のすすめ

AGAセルフチェックポイント
藤井 麻美

「つむじが大きくなった気がする、、、」
「シャンプーの排水溝にこんなに髪の毛が!?」

ふとした瞬間に「AGA(薄毛)かもしれない」と気になることはありませんか?

まだ20代だし大丈夫、と思っているかもしれませんが、実は20代の10人に1人がAGAであるというデータがあります。

薄毛は進行していく病気なので、早期の対策が重要です。

では、あなたがAGAなのかをどうやって判断すればいいでしょうか?

結論を言うとAGAを自分で判断することは難しいです。医療的な判断はクリニックでしか行うことができません。

ただ薄毛に関する悩みは人それぞれ。「そこまで悩んでいない」「自分で簡単なチェックをしたい」という方もいらっしゃると思います。

今回はそんなあまり深刻に考えていないが「自分ってこれから大丈夫かな?」と比較的軽い悩みを抱えている方に向けてAGAの簡単なチェックポイントをご用意しました。

以下の7つのチェック項目でAGAの可能性があるかを確認してみてください。

AGAの可能性があるかをチェックする7項目

簡単なチェック項目は以下の7点です。

  1. 生え際が昔と比べると後退している
  2. つむじが大きくなった(地肌が見えるサイズが大きくなった)
  3. 親・祖父母に薄毛の人がいる
  4. 入浴後の排水溝に抜け毛が増えた
  5. 脂っこいものが好きで、食生活が不安定
  6. 睡眠不足
  7. 喫煙者

1つずつ簡単に説明していきます。

生え際が後退している

AGAチェックポイント 生え際

鏡を見ていれば一番気が付きやすいのがこのパターンだと思います。

生え際の後退には大きく2つのパターンがありますが、AGAでよくあるのは生え際がM字(いわゆる剃り込みの部分)のように後退するパターンです。

ただし、髪の毛を思いっきり上にあげた写真を撮る方はあまりいないと思うので「昔と比べて後退した”気がする”」という曖昧な感覚になるかもしれません。

つむじが大きくなっている

M字症状の次に多いのが頭頂部からのAGAの進行、いわゆるO字と言われるもの。

頭頂部は鏡1枚では確認できないため、おでこの生え際よりも自分では気が付きにくい変化です。知人や家族に見てもらったり、定期的に自分で頭頂部の写真を撮るようにして変化を確認しましょう。

親・祖父母に薄毛の人がいる

よく「禿げは遺伝する」と都市伝説のように言われていますが、それは本当に正しいのでしょうか?

男性型脱毛症治療薬の研究論文を参照すると

AGA は遺伝的背景および男性ホルモンによって主に男性に生ずる.男性ホルモンは,筋肉や骨を発達させ,髭や体毛を濃くするが,頭頂部や前頭部においては男性ホルモン感受性毛包が局在し,男性ホルモンの影響によって,直径 40μm 以下の軟毛(うぶ毛)化を呈する.

日薬理誌 男性型脱毛症治療薬の研究動向 より

とあります。

AGAが男性に多いのは男性ホルモンの影響であるのは学術的にも間違いありません。

しかしながら、男性ホルモンが多ければ必ずAGAを発症するというわけでもありません。そこが少し難しい点ではありますが、男性ホルモンが多いと薄毛になる可能性が高いということですね。

これらのホルモンバランスなどは遺伝的な影響が強いため、親族に薄毛の方がいると遺伝する可能性が高いと言われています。

また身体的遺伝は母方の影響を強く受けるため、母方の親族に薄毛の方がいる場合は親が禿げていないにもかかわらず、自分が薄毛になるという可能性があります。

入浴後の排水溝に抜け毛が増えた

AGAチェックポイント シャンプーの抜け毛

健康的な方の1日の抜け毛本数は50本から100本程度です。

100本と言われると多いと思うかもしれませんが、健康的な頭皮状態であれば毎日同じ量の毛が生えてきます。

しかし、この生える量と抜ける量のバランスが崩れると薄毛になってしまいます。

では抜け毛が増えているかどうかをどのように確かめるかというと、1日の中でもっとも毛が抜ける洗髪時に注意してみてください。

抜け毛の6割は洗髪時と言われていますので、一番毛が抜けるそのタイミングで大まかに抜け毛を把握できれば自分が抜け毛が多いかどうかがわかります。

一人暮らしであれば、毎日交換してみて、家族がいらっしゃる方であれば自分が入る前に排水溝の掃除をしてから髪の毛を洗ってみてチェックすれば良いでしょう。

食生活が不安定、脂っこいものをよく食べる

髪の毛に限らずですが、食生活は体に大きな影響を与えます。日頃から栄養のバランスを考えず、コンビニのお弁当ばかり食べているという方は注意が必要です。

油物をよく食べる方は、皮脂が分泌されやすくなり毛穴に油が溜まり抜け毛の原因となることがあります。

健康のためにもPFCバランス(タンパク質・脂質・炭水化物)のバランスを整え、ビタミン・食物繊維をしっかり摂取することを心がけましょう。

睡眠が6時間以下

睡眠もAGAに大きな影響を与えます。睡眠は成長ホルモンを分泌する大切な行為です。

「成長ホルモン?大人になっていたら、影響はないのでは?」と思うかもしれません。

しかし、成長ホルモンは大人にも大切な影響を与えるものです。ファイザーのメディアでの説明がわかりやすいので紹介させていただきます。

成長ホルモンはその言葉からも分かるように、“身長を伸ばすホルモン”としてよく知られています。しかし、成長ホルモンにはもう1つ重要な役割があります。それは、体にある物質をエネルギーとして使えるような物質に変えていく働きです(これを代謝といいます)。私たちが生きていくためには、体内でエネルギーをつくることが欠かせませんが、成長ホルモンはその過程で大切な役割を担っています。

つまり成長ホルモンは、子どもから大人まで、あらゆる年齢に必要なホルモンなのです。

ファイザー成長ホルモン分泌不全 https://ghw.pfizer.co.jp/adult/adult/growth.html

このように、分泌される量は少なくなるものも大人にも成長ホルモンが分泌され代謝を促してくれます。

代謝をすることにより、肌のターンオーバーも爪も作られていて、髪の毛も同様です。

睡眠が少ないと、成長ホルモンの分泌が減り髪の毛の成長に影響を与えるため、6時間以下の睡眠時間の方は注意が必要です。

タバコを吸う

AGAチェックポイント 喫煙習慣

タバコもなんとなく「健康に悪そう」という印象があると思いますが、頭髪に対しても大きな影響を与える物質があります。

その物質は”ニコチン”です。ニコチンは毛細血管の収縮を起こし、簡単にいうと血管が細くなり血行が悪くなります。

強い血管収縮作用があるため毛細血管を収縮させ血圧を上昇させます。

厚生労働省 e-ヘルスネットhttps://www.e-healthnet.mhlw.go.jp/information/dictionary/tobacco/yt-034.html

血行が悪くなると、全身に栄養を運ぶことが難しくなり、抜け毛も増えやすくなります。

つまりニコチンを多く含むタバコを摂取すると、抜け毛が増えるという因果関係があるのです。

タバコをやめるのが一番ですが、どうしてもやめれないという方はできるだけクリニックに行ってください。

一番いいのは、禁煙を始めることです。

気になるものがあればクリニックへ

ここまで一つでも当てはまるものはありましたか?気になるものがあればクリニックで受診することをお勧めします。

クリニックでは先ほど説明したようななんとなくではなく、「スコープによる頭皮の確認」と「血液検査」による明確な検査を行ってくれるため、より詳しい診断とその処置を提案してもらえるのです。

この「スコープによる頭皮の確認」と「血液検査」で具体的に何を行うのかを少し説明させていただきます。

マイクロスコープによる頭皮状況の確認

AGAクリニックでの診察 マイクロスコープ

クリニックでは、通常の家庭にはない“マイクロスコープ”と呼ばれる機器を利用して、頭皮の状態しっかりチェックしてくれます。

マイクロスコープでは髪の太さや毛穴の状態などを確認することが可能です。

AGAでは、生え際や頭頂部といった抜け毛が多い箇所と問題のない箇所の頭皮環境の差があることが多く、それらを比べることによってAGAかどうかを判断します。

血液検査

近年では血液検査を行うことにより、さまざまな体調や病気についてを把握することができます。

AGAにおいては、血液検査で薄毛を測るわけではありませんが、血液検査によって肝機能・腎機能・前立腺腫瘍マーカーなどAGAの投薬治療が可能かどうかを判断します。

AGA治療薬は副作用が少ないものの、すべての人に使用できるというわけではありません。場合によっては投薬ができない可能性もあります。

髪の毛より健康の方が大切ですので、副作用の可能性がある場合には投薬による治療は行えません。

クリニックによっては遺伝子検査が行われることも。

男性ホルモンに関わる遺伝子を調べることで、若干ではありますが内服薬による治療効果の予測を行うこともできます。

まとめ

「いかがだったでしょうか?」などありきたりな言葉を言いたいところですが、ここまで読んだ方はもうお近くのAGA専門クリニックに行ってください。

クリニックでしっかりとした、診察・処置を受けて死ぬまでフサフサを目指しましょう。

参考文献

1) 男性型および女性型脱毛症診療ガイドライン 2017 年版:https://www.dermatol.or.jp/uploads/uploads/files/AGA_GL2017.pdf

2) Pathologic Dynamics of Human Hair Loss
I. Telogen Effluvium:https://jamanetwork.com/journals/jamadermatology/article-abstract/526620

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