AGAの治療は皮膚科で受けるべき?AGA専門のクリニックで受けるべき?
「最近薄毛が目立ってきて、そろそろ治療をしたいけど、どの病院を受診すればいいのだろう?」
「AGAの治療をしたいと思っていろいろ調べたけど、たくさん病院があってどの病院を受診するのがいいの?」
このような悩みをお持ちになっている方はいませんか。
AGA治療を行っている医療機関の情報をインターネットなどで調べると、数多く存在することがわかります。
AGA治療を行っている医療機関は、大きく分けて、診療の一部としてAGA治療を行っている皮膚科と、AGAを専門としたクリニックが。
どちらもAGAの治療をするのであれば、大して変わりないのではと思う方もいらっしゃるかもしれません。しかし、それぞれ治療内容や特徴が異なっており、同じというわけではありません。
今回は、皮膚科とAGA専門のクリニックでの治療内容や、特徴の違いについて解説していきます。
AGAとは|治療を受けるタイミングを逃さないために
病院を受診するにあたり、まずAGAとはどのような病気であるか理解しておく必要があります。
●AGA(エー・ジー・エー)とは?
AGAは、男性型脱毛症とも言われ、通常30歳前後から発症し、40歳以降に薄毛が目立ってくる状態のことです。薄毛の部位は、額の生え際や頭頂部(いわゆるM字ハゲやO字ハゲ)に認められることが特徴。
AGAによる薄毛は、男性ホルモンや遺伝の要素が深くかかわっています。AGAは、一旦髪の毛が薄くなりはじめると、徐々に薄毛が目立っていく「進行性の病気である」ということがポイントです。
AGAの治療はさまざまなものがありますが、いずれの治療もAGAの進行を食い止めたり、発毛を促す効果があります。しかし、AGAの原因を根本から改善する根治療法ではありません。
若い時にちょっとくらい髪の毛が薄くてもいいやと放置し、広範囲に薄毛を認める状態になると、いくら治療しても効果がほとんどみられない、ということにもなりえます。
まとめると、AGAは比較的若いうちから発症し、薄毛は徐々に進行。
最近抜け毛が増えてきたな、生え際が後退してきたな、頭頂部が薄くなってきたと指摘される、などがあれば、薄毛の進行を食い止め、治療効果を最大限発揮するためにも、早めに対策を考えると良いでしょう。
薄毛や抜け毛の原因がAGAとは限らない
男性における薄毛や抜け毛の原因は、AGAが代表的です。では男性が薄毛や抜け毛が増えてきたと感じた時、原因はAGAと決めつけていいものでしょうか。
答えはNoです。
脱毛症になる原因は、頻度がAGAほどでないにしろ、AGA以外にもたくさんあります。
男性の脱毛症の原因となる病気には、以下のようなものが1) 。
- 円形脱毛症
- 腫瘍(副腎腫瘍、下垂体腫瘍)
- 糖尿病
- 甲状腺機能異常症
- 全身性エリテマトーデス
- サルコイドーシス
- 感染症(結核、水痘帯状疱疹ウイルス)
- 鉄欠乏、亜鉛欠乏、ビタミンD欠乏
- 薬剤性(抗がん剤、抗精神病薬、抗うつ薬、抗不安薬、抗てんかん薬、高脂血症薬、レチノイド、インターフェロン製剤など)
- 精神的ストレス など
疾患の詳細は割愛しますが、脱毛のパターンはAGAとそれ以外では特徴があります。AGA以外の病気が原因で生じる脱毛症は、びまん性といって、全体的に薄毛になっていったり、円形脱毛症のように一部が薄毛になるという特徴が。
一方、AGAの脱毛は、額の生え際や頭頂部が中心となって進行していきます。
脱毛パターンだけでAGAか、それ以外かはっきり区別がつくわけではありませんが、知っておくと参考にに。また、AGA以外の病気だと髪の毛以外にも体調が優れない、他のお薬を飲んでいる、など何らかしらの症状や誘因があることが多いとされています。
脱毛症がAGA以外の原因で起こっている場合は、まず原因となる病気を治療し、AGAで用いられる治療法以外を行うことが。そのため、場合によっては、内科や皮膚科での治療を要することもあります。
もし薄毛以外にも体調の変化があったり、元から病気をお持ちで薬物治療を受けている場合は、自分の薄毛が本当にAGAによるものかどうか自己判断せずに医療機関を受診すると良いでしょう。
皮膚科によるAGA治療の特徴
AGAの治療は皮膚科やAGA専門のクリニックで行います。実際、それぞれの医療機関では、どのような違いがあるのでしょうか。どちらに行くか迷われている方も多いと思います。
これから皮膚科とAGA専門のクリニックの違いについて、それぞれ解説。まず、皮膚科でAGA治療をする場合のメリットについて挙げていきます。
●皮膚科でAGA治療するメリット
- 薄毛の原因がAGA以外の病気かどうか診てもらえる。
- AGA治療ガイドラインに沿った標準的な治療を受けることができる。
- 治療費が抑えられることがある。
- 自宅近辺に病院がある場合が多い。
一つずつみていきましょう。
薄毛の原因がAGA以外の病気かどうか診てもらえる
皮膚科は、皮膚一般の病気を取り扱っています。先ほど説明したように、薄毛は必ずしもAGAだけが原因とは限りません。
例えば、額の生え際や頭頂部以外の薄毛が目立つといったAGAの典型的な脱毛パターンとは異なる場合、体調が良くない、普段からいろいろな薬を飲んでいるなど、AGA以外の原因が隠れている可能性も。
また、医療機関によっては脱毛症を専門的に診ている皮膚科医もあり、脱毛症外来を設けているところもあります。
典型的なAGAのパターンではないかもしれないと思ったら、皮膚科を受診してAGAかどうか判断してもらうのがいいかもしれません。
AGA治療ガイドラインに沿った標準的な治療を受けることができる
多くの皮膚科では、日本皮膚科学会の発表したガイドライン2) に則った治療が行われます。
治療法別の推奨度 | |
治療法 | 推奨度 |
フィナステリド内服 | A (男性型脱毛症)、D (女性型脱毛症) |
デュタステリド内服 | A (男性型脱毛症)、D (女性型脱毛症) |
ミノキシジル外用 | A |
植毛術 | 自家植毛:B (男性)、C1 (女性)人工毛植毛は男女ともD |
LEDおよび低出力レーザー照射 | B |
アデノシン外用 | B (男性型脱毛症)C1 (女性型脱毛症) |
カルプロニウム塩化物外用 | C1 |
t- フラバノン外用 | C1 |
サイトプリンおよびペンタデカン外用 | C1 |
かつらの着用 | C1 |
ピマトロストおよびラタノプロスト外用 | C2 |
成長因子導入および細胞移植療法 | C2 |
ミノキシジル内服 | D |
ガイドラインの中で、推奨度A(行うよう強く勧めるとされるランク)であるフィナステリド、デュタステリド内服や、ミノキシジル外用が主に用いられます。
治療費が抑えられることがある
多くの皮膚科のAGA治療は標準的な治療であり、治療内容がシンプルなことが多く、薬物治療が主であり、多彩な治療オプションがあるAGA専門のクリニックと比べて費用が抑えられる傾向があります。
自宅近辺に病院がある場合が多い
「町のお医者さん」という言葉があるように、内科や皮膚科など一般的な病院の多くは、自宅の近くにあります。定期的に通う上で、自宅近くにあるほうがいいと思う方には、メリットになるかもしれません。
一方、皮膚科でAGA治療をする上でデメリットと感じる部分はあるのでしょうか。懸念されることを以下に挙げます。
●皮膚科でAGA治療するデメリット
- AGAのみの診療ではないため、治療実績が少ない可能性がある。
- 治療の選択肢が比較的少なく、治療方法が限られている。
- AGA専門のクリニックで行うような遺伝子検査などが行われないことが多い。
どのような点がデメリットなのか、もう少し詳しくみていきましょう。
AGAのみの診療ではないため、治療実績が少ない可能性がある
皮膚科は、AGA以外の脱毛や、その他一般的な皮膚の病気を診ています。幅広い病気をみている安心感もある一方、AGA治療に特化しているわけではありません。
病院のホームページをみて、AGA治療は片隅に少し記載しているのみで力を入れていないなと感じるところもあります。
治療の選択肢が比較的少なく、治療方法が限られている
メリットの部分でも説明しましたが、皮膚科でのAGA治療は、ガイドラインに沿った標準的な治療であるフィナステリドやデュタステリド内服、ミノキシジル外用を受けることがほとんどです。
それ以外のオプションとしての治療ができないことが多く、薄毛をとにかく改善させたいので、できる治療はいろいろしたい、最新の治療をしたいと思う方には少し物足りないかもしれません。
また、病院によっては、フィナステリドの処方しか取り扱っていないところもあります。皮膚科での治療を検討されている方は、病院のホームページ等をみてどの治療が受けられるのか(逆に言えばどの治療しか受けられないのか)を事前に確認しておくと良いでしょう。
AGA専門のクリニックで行うような遺伝子検査などが行われないことが多い
皮膚科でのAGA治療は、標準的な治療を行いますが、検査もシンプルなことが多いです。必ずしも行う必要はありませんが、AGAの発症リスクや治療効果を予測することを目的に遺伝子検査というものがあります。一般的な皮膚科で遺伝子検査を行うところは非常に稀です。
自分のAGAについてより深く知りたくて遺伝子検査を行いたい場合は、自宅で検査ができるキットで調べるか、AGA専門のクリニックで行うと良いでしょう。
AGA専門クリニックによるAGA治療の特徴
ここまで皮膚科でAGA治療するメリット、デメリットについてお話しました。では次に、AGA専門のクリニックについて検討していきます。
●AGA専門のクリニックAGA治療するメリット
- AGA治療に特化しているので治療実績が豊富である。
- 多くの治療選択肢があり、自分にあった治療を受けることができる。
- 無料カウンセリングを行うところが多い。
- 大都市のターミナル駅近辺に病院がある場合が多く、オンライン診療を行っているクリニックもある。
- 受診に際してプライバシーに配慮しているクリニックが多い。
AGA専門クリニックならではのメリットがたくさん出てきました。順にみていきましょう。
AGA治療に特化しているので治療実績が豊富である
一般的な皮膚科は、皮膚の病気を総合的にみていますが、AGA専門のクリニックはAGAのみに特化して治療しています。そのため、経験症例が豊富です。豊富な経験からいろいろと適切なアドバイス、治療法が提示されることがメリットといえます。
多くの治療選択肢があり、自分にあった治療を受けることができる
皮膚科は、ガイドラインで推奨されるフィナステリドやデュタステリド内服やミノキシジル外用を主に用います。一方、AGA専門のクリニックは、ガイドラインではまだ研究段階で、推奨度が判定できない最新治療を行っているところが多いです。具体的にはミノキシジル内服、メソセラピー、植毛などです。
ここで一つお伝えしたいことがあります。
「ガイドラインに載っていない治療=危ない、あやしい」と思う方はいませんか?
結論から言うと、「ガイドライン=ルール」ではありません。これは何もAGAに限ったことではありません。
ガイドラインでは、万人に受け入れられる治療法を提示しており、あくまで目安です。実際、ガイドラインをみても危険だからすすめないではなく、まだ研究段階であり現時点では推奨できないといった文言もあります。
AGA治療に積極的な効果を期待する場合は、自身の判断で、ガイドライン以外の治療を選択してもいいのです。最新の治療を希望される場合は、多くの治療選択肢のある専門クリニックを検討しても良いでしょう。
無料カウンセリングを行うところが多い
AGA治療をやってみようと思っても、実際治療を受けるとなると不安に感じる方もいらっしゃるかと思います。
AGA専門のクリニックでは、治療を受ける前に「AGAとはどのような病気か」、「自分の薄毛は今どの状態か」、「どのような治療があるのか、またその費用はどれくらいか」について、無料カウンセリングしてくれるところがあります。
治療する前にいろいろ相談してから決めたいと思う方は、無料カウンセリングを受けてみるといいかもしれませんね。
大都市のターミナル駅近辺に病院がある場合が多く、オンライン診療を行っているクリニックもある
皮膚科が自宅近くにあることが多いのに対して、AGA専門のクリニックは主要ターミナル駅の周辺にあることが多いです。また、最近はオンライン診療を積極的に行っているところも。
仕事帰りに立ち寄りたい、自宅近くだと恥ずかしい、忙しいから通院できないという方にとっては、AGA専門のクリニックは利便性が高いと思います。
受診に際してプライバシーに配慮しているクリニックが多い
AGA患者さんによっては、自分が治療していることをあまり人に知られたくない、病院で多くの人にみられながら診察を待つのはいやだと思う方もいるでしょう。
一般的な皮膚科では、AGA以外の病気の人もいるのでいろいろな患者さんが病院に来ます。AGA専門のクリニックでは、AGA患者さんしか来ないのため、プライバシーは十分に配慮。
具体的には、診察室が完全に個室で仕切られている、予約制で待合室が満杯にならないようにする、男性医師が診察するなど、さまざまな点が配慮されています。
ここまで述べたようにメリットを多く感じるAGA専門のクリニックでの治療ですが、デメリットと感じる部分はあるのでしょうか。懸念されることを以下に挙げます。
●AGA専門のクリニックAGA治療するデメリット
- AGA以外の脱毛症に関しては治療できない
- 治療費が高額になることがある
AGA以外の脱毛症に関しては治療できない
AGA専門のクリニックは、AGAを中心とした治療になります。そのため、AGA以外の原因による脱毛と疑われた場合は、皮膚科での治療を行うことに。
髪の毛以外にも症状があったり、額の生え際や頭頂部以外にも脱毛があるなど、典型的なAGAのパターンでない方はAGA専門のクリニックでは治療できない可能性があります。
治療費が高額になることがある
AGA専門のクリニックは、専門性により、多くの治療選択肢があります。積極的な発毛効果を期待してフィナステリド、デュタステリド内服や、ミノキシジル外用以外のオプション治療を選択した場合、料金もより高額に。
ご自身の期待する効果と予算を考慮して、治療内容を相談していくといいでしょう。
薄毛治療は保険診療が使えるのか?
ここで患者さんによく誤解されることについてお話します。
「皮膚科は保険診療を行っているから、皮膚科でAGA治療をすればその費用も保険診療になりますよね?」と聞かれることが。
結論から先に言いますと、皮膚科でもAGA専門のクリニックでも、AGA治療では健康保険は適用されず、自由診療となります。
しかし、AGA以外の原因による脱毛であれば、保険診療も受けられる可能性が。AGA治療を受ける前には、皮膚科やAGA専門のクリニックでAGAとしっかりと判断してもらってから治療しましょう。
自由診療なので費用が高めになることを嫌い、少しでも費用を抑えようと自己判断でAGAと判断し、個人輸入で薬を購入する方がいらっしゃいます。副作用や健康被害の恐れもあるので、絶対に控えていただきたいです。
おすすめのAGA治療の選択の仕方
皮膚科とAGA専門クリニック、それぞれのメリット、デメリットについてお話しました。たくさんの比較点がありましたので、もう1度表にして整理してみましょう。
医療機関 | 皮膚科 | AGA専門のクリニック |
専門性 | 脱毛症全般 | AGAに特化 |
治療内容 | フィナステリド/デュタステリド内服ミノキシジル外用 | 左記に加えてメソセラピー、植毛などを行うクリニックも |
治療費 | 上記投薬代のみ | 治療オプションによっては高額 |
医療機関へのアクセス | 自宅近辺にある | 大都市圏やオンライン |
事前のカウンセリング | 無し | 無料カウンセリングありが多い |
検査内容 | 副作用確認が主 | 遺伝子検査など行うことも |
プライバシーの配慮 | 少ない | 配慮されていることが多い |
保険適用 | 自由診療 | 自由診療 |
この表をふまえて、皮膚科での治療に向いているかたと、AGA専門のクリニックでの治療が向いているかたについて考えていきましょう。
簡潔にまとめると、以下のようになります。
- AGA以外の脱毛でないか調べてから治療したい。
- AGA以外の皮膚の相談にも乗ってほしい。
- ガイドラインに則った治療をしてほしい。
- 自宅から通える距離にある病院で治療したい。
- AGAの専門の医師にみてもらいたい
- 積極的な発毛効果を期待している
- 事前に相談してから治療を行いたい
- 自宅近くだと知りあいに合うので自宅近辺は避けたい、仕事帰りに寄りたい
- 診察室でなるべく他の人に会いたくない
AGAにかかった費用は医療費控除の対象になるのか?
AGAは保険診療外で、治療費も決して安いものではありません。少しでも支出を減らせたらと感じるのではないでしょうか。患者さんから費用の面でよく聞かれるのが、AGA治療で医療費控除が受けられるのかということです。
医療費控除とは、年間でかかった医療費が10万円を超えた場合、確定申告で手続きをすると税負担が軽減される制度。
実際、AGA治療で医療費控除は可能なのでしょうか。結論から言うと、原則、AGA治療での医療費控除は不可能です。
医療費控除について少し解説していきます。
医療費控除の対象となる医療費は、国税庁のホームページに記載(文献3より一部改変)
医療費控除の対象 | 控除の対象に含まれるもの | 控除の対象に含まれないもの |
●医師、歯科医師による診療や治療の対価 ●治療のためのあん摩マッサージ指圧師、はり師、きゅう師、柔道整復師などによる施術の対価 ●助産師による分娩介助の対価 ●医師等による一定の特定保健指導の対価 ●介護福祉士等による喀痰吸引等の対価 | ●医師等による診療等を受けるために直接必要なもので、次のような費用 1)通院費 2)医師等の送迎費 3)入院の部屋代や食事代 4)医療用器具の購入や賃借費 5)義手、義足、補聴器購入費 6)寝たきりの人のおむつ代 ●介護保険制度の下で提供される一定の施設・居宅サービス等の対価 | ●容姿を美化し、容ぼうを変えるなどの目的で行った整形手術の費用 ●健康診断の費用 ●タクシー代(電車やバスなどの公共交通機関が利用できない場合を除く。) ●自家用車で通院する場合のガソリン代や駐車料金 ●治療を受けるために直接必要としない、近視や遠視のための眼鏡、補聴器等の購入費用 |
保健師や看護師、准看護師による療養上の世話の対価 | 左記以外で、療養上の世話を受けるために特に依頼した人に支払う療養上の世話の対価 | 親族に支払う療養上の世話の対価 |
●治療や療養に必要な医薬品の購入の対価 | ●かぜの治療のために使用した一般的な医薬品の購入費用 ●医師等の処方や指示により、医師等による診療等を受けるため直接必要なものとして購入する医薬品の購入費用 | ●疾病の予防又は健康増進のために供されるものの購入費用 (疾病を予防するための予防接種やサプリメント等の費用を含む。) |
病院、診療所又は助産所などへ収容されるための人的役務の提供の対価 | 病状からみて急を要する場合に病院に収容されるための費用 | 親族などから人的役務の提供を受けたことに対し支払う謝礼 |
こちらの表にもあるように、AGAは薄毛という見た目を改善する美容を目的とした自由診療です。そのため、原則医療費控除の対象外となります。
しかし、ごく稀にAGA治療が医療費控除として認められることも。別の病気が原因で脱毛し、AGA治療を受けたケースで医療費控除を認められた場合があるようです。
以上のことをまとめると、基本的にはAGA治療は医療費控除の対象外。しかし、例外的に他の病気などをお持ちの方で、医療費控除を受けたいと思った場合は管轄の税務署などに確認してみてもいいかもしれません。
まとめ
AGA治療を受けるにあたって、皮膚科とAGA専門のクリニックの違いについて説明してきました。
一見どちらも医療機関であり、変わりないように思えますが、実は特徴が異なるということが理解いただけたかと思います。
自身の薄毛に関して、AGA以外の病気も心配、自宅から近い病院がいいというのであれば皮膚科、職場の近くや自宅から遠い所がいい、ガイドライン以上の積極的な治療を望む場合はAGA専門のクリニック、といったように、それぞれに合った選択をしていくことが大切です。
皆さんの医療機関選びの参考になれば幸いです。
参考文献
- 木下美咲. 毛髪と全身・他臓器疾患. 杏林医会誌. 49(2):163-167, 2018. https://doi.org/10.11434/kyorinmed.49.163
- 日本皮膚科学会. 男性型および女性型脱毛症診療ガイドライン 2017 年版. https://www.dermatol.or.jp/uploads/uploads/files/AGA_GL2017.pdf.
- 国税庁ホームページ.
https://www.nta.go.jp/taxes/shiraberu/shinkoku/tebiki/2020/b/01/1_17.htm